参院広島再選挙 自民支持層
2割台半ばが野党推す候補に

与野党対決の構図となった、参議院広島選挙区の再選挙では、野党が推した女性候補が勝利しました。NHKの出口調査によりますと、自民党支持層の2割台半ばの人が勝利した女性候補に投票したと答えています。

菅政権にとって最初の国政選挙となった衆参3つの選挙は、25日投票が行われ、いずれも野党候補が勝利しました。

おととしの参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の罪で有罪が確定した河井案里氏の当選無効に伴う広島選挙区の再選挙では、野党が推した宮口治子氏が自民党の西田英範氏らを破り初当選を果たしました。

NHKは、25日、広島県内の40の投票所で投票を終えた有権者3622人に出口調査を行い、74.1%にあたる2685人から回答を得ました。

それによりますと、自民党支持層の今回の投票先を見ますと自民党の候補者がおよそ7割を固めた一方、2割台半ばの人は宮口氏に投票したと答えていて、自民支持層が離れたことがうかがえます。

また、前回おととしの参議院選挙で自民党候補だった河井案里氏と溝手顕正氏のいずれかに投票した人のうち、それぞれ、およそ3割が今回は宮口氏に投票したと答えています。

一方、今回の投票にあたって、再選挙のきっかけとなった河井夫妻の買収事件を「考慮した」と答えたのは、「大いに」と「ある程度」をあわせて77%で、このうち50%台半ばが宮口氏に投票したと答えています。
また、政府の新型コロナウイルス対策を「評価する」と答えた人は「大いに」と「ある程度」を合わせて47%だったのに対し、「評価しない」と答えた人は「あまり」と「全く」を合わせて53%で、「評価しない」が上回りました。

このうち「評価しない」と答えた人の60%余りが宮口氏に投票したと答えました。

今回の結果を衆議院の小選挙区別で見ますと、議員辞職した河井元法務大臣の地元、広島3区では、宮口氏が3700票余り自民党候補を上回りました。

自民党広島県連の会長を務める岸田前政務調査会長の地元、広島1区では100票余り自民党候補が上回っていて、岸田氏がかろうじて面目を保った形になりました。