福島県沖の海域 国が
クロソイの出荷制限を指示

今月初め、福島県沖で採取されたクロソイという魚から国の基準を超える放射性物質が検出され、国は出荷制限を指示しました。この魚について、地元の福島県漁連は、より厳しい基準に基づいてすでに出荷を自粛しています。

福島県によりますと、今月1日、南相馬市鹿島区沖の水深37メートルの海で採取した魚のクロソイについて県が検査したところ、1キロ当たり270ベクレルの放射性セシウムが検出され、国の食品の基準である1キロ当たり100ベクレルを上回りました。

これを受けて、国の原子力災害対策本部は、19日付けで福島県沖の海域を対象にクロソイの出荷制限を指示しました。

福島県沖では、ことし2月にも試験的な漁で水揚げされたクロソイから基準を超える放射性物質が検出されましたが、その後の検査で基準を超える検体がなかったことなどから、国は出荷制限を行わず、県が検査を続けていました。

一方、福島県漁連は、より厳しく定めている1キロ当たり50ベクレルの自主基準を超えているとして出荷を自粛していました。

クロソイの水揚げ量は去年1年間で3トンで、福島県沖で行われていた試験的な漁全体の1%未満だということです。

福島県沖では、去年2月にすべての魚種で出荷制限が解除され、国の出荷制限がかかるのはそれ以来となります。