ミャンマー情勢さらに緊迫
1日の犠牲者114人

ミャンマーでは27日、治安部隊による発砲などでクーデター以降1日としては最多とみられる犠牲者が出ましたが、市民たちは一夜明けた28日も道路を封鎖するなどして全土でデモを行い、抗議の声をあげ続けています。

ミャンマーでは軍の記念日にあたる27日、首都ネピドーで式典が開かれるのに合わせて軍に抗議する市民たちが全国で一斉に街頭に出てデモを行い、これに対して治安部隊などが発砲を繰り返しました。

地元メディアは、27日1日だけで114人が死亡し、中には火をつけられて殺害された人もいたと伝えていて、1日の犠牲者の数はクーデター以降最も多くなったとみられています。

一夜明けた28日、市民たちは再び全土でデモを行っていて、このうち最大都市ヤンゴンでは銃撃から逃れるため少数のグループに分かれて行動しています。

そして道路に障害物を置いて治安部隊の接近を防ぎ、すぐに別の場所に移動してデモを続けるなどして抗議の声をあげ続けています。

27日、南東部カレン州の少数民族の武装勢力が軍の拠点を攻撃したのに続き、28日も北部の少数民族の武装勢力が軍との戦闘の準備に入ったと伝えられるなど、武装した少数民族が市民に加勢する動きも出ていて、ミャンマー情勢は緊迫の度合いがいちだんと増しています。

自衛隊など12か国の軍 制服組トップがミャンマー軍の非難声明

こうした中で日本の自衛隊や、アメリカ、イギリス、それにカナダの軍など12か国の制服組トップがミャンマー軍を非難する共同声明を発表しました。

声明では「ミャンマーの軍と治安部隊による非武装の民間人への軍事力の行使を非難する」として、市民への暴力をやめるよう求めています。

そのうえで「プロフェッショナルな軍隊は国際的な基準に従って行動すべきであり、国民に危害を加えるのではなく保護する責任がある」としています。

岸防衛相「民間人への暴力的対応の即時停止など求める」

岸防衛大臣は防衛省で記者団に対し「ミャンマー情勢は非常に厳しく、関係各国の防衛当局が共同して適切なメッセージを発出することは重要だ」と述べました。

そのうえで「民間人への暴力的な対応の即時停止、拘束された関係者の解放、そして民主的な政治体制を早期に回復するよう強く求めていく」と述べました。