河井元法相 議員辞職願を
衆議院に提出

公職選挙法違反の買収の罪に問われ、23日の裁判で議員辞職の意向を示した河井克行 元法務大臣は25日午後、衆議院に議員辞職願を提出しました。

元法務大臣の河井克行被告は、妻の案里・元議員が初当選したおととしの参議院選挙で現金を配ったとして公職選挙法違反の買収の罪に問われていて、23日の裁判で行われた被告人質問では、これまでの無罪の主張を一転させ起訴された内容の大半を認め、議員辞職の意向を示しました。

河井元大臣は25日午後、秘書を通じて大島衆議院議長あてに議員辞職願を提出しました。

河井元大臣の辞職は、近く衆議院本会議で認められる見通しです。

一方で衆議院議員の任期満了が10月に迫っていることから、公職選挙法の規定に基づき補欠選挙は行われません。

河井元法相 コメント

河井克行元法務大臣は、25日午後、事務所を通じてコメントを発表しました。

この中では「私の過ちにより、国民の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる。深刻な政治不信を招いたことを真摯に反省し、事態を招いた責任を取るため、衆議院議員の職を辞することとした」としています。

そのうえで「信頼を裏切ってしまったことは万死に値すると考える。お金で人の心を『買える』と考えた自らの品性の下劣さに恥じ入るばかりだ。裁判の場で誠心誠意、丁寧に説明責任を果たしていく所存だ」としています。

坂井官房副長官「政治は国民からの信頼が不可欠」

坂井官房副長官は記者会見で「政治家の出処進退については、みずから判断すべきものと考えている。政治を行ううえにおいては国民からの信頼が不可欠ということを常に意識をしながら、一つ一つの課題にあたっていくべきだ」と述べました。

自民 竹下元総務会長「引き締めて対応を」

自民党の竹下元総務会長は、記者団に対し「国会議員たる者は、疑惑を持たれた時に、みずからの責任でみずからを処していかなければならず、河井元大臣の決意をしっかり受け止めるべきだ。こういうことは、あらゆる選挙に影響するので、改めて気を引き締めて対応しなければならない」と述べました。

自民 下村政調会長「もっと早く辞任も含め対処すべきだった」

自民党の下村政務調査会長は、記者会見で「もっと早く辞任も含めて対処すべきだった。政治に対する不信感をじゃっ起させないよう、今後も説明責任を果たしてもらいたい。自民党にとって影響はある。ほかの党所属議員にもいろんな問題があり、これで一件落着ということは全くなく、謙虚に危機感を持って対応しなければならない」と述べました。