マイナンバーカード 一部で
保険証としても利用可に

マイナンバーカードの利便性を高めることで普及につなげようと、4日から一部の医療機関でカードが健康保険証としても利用できるようになりました。厚生労働省は利用状況などを検証しながら今月末から全国で本格的に運用することにしています。

4日からマイナンバーカードが健康保険証としても利用できるようなったのは、11の都府県の合わせて19か所の診療所や薬局などです。

このうち、都内の薬局ではマイナンバーカードの情報を読み込む機械が新たに窓口に設けられ、薬剤師が機械の使い方を案内したりパンフレットを配って利用を呼びかけたりしていました。

実際にマイナンバーカードを使った60代の女性は「簡単にできた。薬の情報がみられるようになるのは便利だと思う」と話しました。

また、60代の男性は「マイナンバーカードは落としてしまうことが心配で持ち歩いていない。保険証として使えるようになるならば、今度利用してみようかと思う」と話しました。

何が便利に?

マイナンバーカードを使って受診することで情報が一元的に管理され、専用のポータルサイトで医療費が確認でき確定申告に活用できるようになるほか、高額療養費制度の申請が必要なくなり窓口で限度額を超える医療費を一時的に支払わなくても済むようになります。

また、医療機関の側も患者の同意を得れば特定健診の情報や過去に処方された薬を閲覧できるようになり、厚生労働省はより適切な診療や検査につながると期待しています。

政府は今月末までに全国の医療機関の6割程度でカードの情報を読み込む機械の導入を目指していますが、先月21日時点で医療機関からの申し込みは32.8%となっています。

マイナンバーカード自体の交付率が今月2日時点で26%にとどまっていることもあり、機械の導入をためらう医療機関も少なくありません。

厚生労働省は、システム改修などにかかる費用を支援して機械の設置を呼びかけています。

一方、個人情報の漏えいなどを懸念する声も根強くあります。

厚生労働省はマイナンバーカード自体には医療情報は入っておらず、暗証番号も必要となるとして「個人情報が漏えいする心配はない」としていますが、制度への信頼性の確保が課題となります。

“適切な診療・検査につながると期待” 厚労省

厚生労働省は、マイナンバーカードの活用により医療機関が患者の過去の診療情報を閲覧できるようになれば、より適切な診療や検査につながると期待しています。

これまでは、複数の医療機関を受診する場合やかかりつけの医療機関以外を受診する場合に、患者の説明を頼りに過去の治療や処方されている薬などの情報を確認する必要がありました。

マイナンバーカードの活用により、医療機関は患者の同意があれば過去の医療データを見ることができるようになります。

当面、閲覧できるのは特定健診の結果に限られますが、ことし10月には処方された薬の情報、さらに来年の夏をめどに手術や透析の記録や過去に受診した医療機関の情報なども加わる見通しです。

これによって厚生労働省では、より適切な治療や必要のない薬の処方を防ぐことに役立つと期待しています。

厚生労働省の山下護医療介護連携政策課長は「一人一人がどんな治療を受けてきたかを、記憶ではなく記録をプロと共有しながら診療してもらうことができるようになる。参加する医療機関を徐々に増やしていきながら、マイナンバーカードで健康保険の新しいサービスを届けたい」と話しています。