“家族に知られたくない”
扶養照会の運用見直し

生活保護の申請をした人の親族に援助が可能かどうかを問い合わせる「扶養照会」について、厚生労働省は10年程度親族と連絡をとっていない場合は、照会をしなくてもよいとするなど運用を見直しました。

「扶養照会」は、自治体が生活保護の申請をした人に親族の経済的な状況などを聞き、援助を受けられる可能性があると判断した場合に親族に問い合わせることです。

これまでは、親族からDV=ドメスティック・バイオレンスや虐待を受けていたり、親族と20年にわたって連絡をとっていなかったりする場合などには、扶養照会をしなくてもよいとされていました。

しかし「家族に知られたくない」など、扶養照会を理由に生活保護の申請をためらう人が相次いでいて、厚生労働省はこれまでの運用を見直し全国の自治体に通知しました。

今月から始まった新たな運用では、照会をしなくてもよいケースとして、親族と連絡をとっていない期間をこれまでの「20年」から「10年程度」としたほか、親族に借金を重ねていたり、相続で対立したりするなど著しく関係がよくない場合だとしています。

また、親族がDVや虐待の加害者だった場合は、照会を控えるよう求めています。

見直しの理由について厚生労働省は「今の時代や実態に沿った形で運用できるようにした」としています。

一方、要望書を提出していた支援団体の「つくろい東京ファンド」は「一歩前進ではあるものの、根本的な問題解決にはならないと評価している。扶養照会の運用改善にあたっては、申請者が事前に承諾した場合に限定すべきだ」などとして抜本的な見直しを求めています。