福島県沖の地震 大震災や
コロナ考慮し特例措置で支援

福島県と宮城県で最大で震度6強の揺れを観測した福島県沖の地震を受けて政府が支援策を取りまとめました。

東日本大震災や新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けていることから、中小企業に対する「グループ補助金」を一定の条件のもとで5億円を上限に全額補助するほか、ワクチン接種が予定されている会場の早期復旧にむけた補助などが盛り込まれています。

復旧・産業支援に特例措置

今回の地震は、復旧にかかる費用を見込んだ結果、国の補助率が上がる「激甚災害」の指定条件は満たしていません。

しかし政府は、今回被災した地域では東日本大震災や新型コロナウイルスの感染拡大ですでに大きな影響を受けているとして、支援策に早期復旧や産業支援のための特例措置を盛り込みました。

生活再建

被災した住宅を市町村が公費で解体する場合、通常は全壊以上が国の補助の対象となっていますが、特例として半壊以上も対象とします。

住宅を再建する場合は被災者生活再建支援法に基づき、家屋の損害の割合によって最大で300万円が支給されます。

現在は福島市で適用されています。

また住宅を修理する場合は災害救助法に基づき、損害の割合で最大、59万5000円が支給されます。

現在、福島県の17の市と町で適用されていて、今後、各自治体で受け付けが始まる見通しです。

産業支援にグループ補助金

産業の支援では、被災した中小企業がグループをつくり施設や設備の復旧をする際に受けられる、「グループ補助金」が福島県、宮城県、それに岩手県で適用されることになりました。

これまでは激甚災害の指定が前提となっていましたが、特例措置となります。

また通常は費用の4分の3の補助ですが、東日本大震災での被災や新型コロナウイルスの影響も受けているなど、一定の条件を満たす場合は5億円を上限に全額が補助されることになりました。

ワクチン接種会場復旧支援

また、宮城県と福島県では新型コロナウイルスのワクチン接種の会場に予定されている病院や体育館でも被害を受けていることから、早期の復旧に向けた費用の補助も行うことにしています。

加藤官房長官「グループ補助金に予備費31億円」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「直ちに追加の予算措置が必要となる『グループ補助金』について、きょうの閣議で、予備費およそ31億円の使用の決定を行った。政府として、対策を速やかに進めるとともに今後、顕在化する課題にもスピード感を持って、万全の対策をとり、被災自治体と一体となって、被災地の復旧、再建などに全力で取り組んでいく」と述べました。