SNSでひぼうや中傷の投稿をした人物を速やかに特定できるように、新たな裁判手続きを創設する「プロバイダ責任制限法」の改正案が26日、閣議決定されました。

閣議決定された改正案では、SNSでのひぼうや中傷による被害を防ぐため、投稿した人物に関する情報開示を速やかに進める新たな裁判手続きを創設します。

被害者は、投稿した人物を特定するため訴えを起こすことができますが、現在はSNSの運営会社と投稿者が利用する接続業者のそれぞれに対し裁判の手続きが必要で、時間がかかることが課題となっています。

改正案では、被害者からの申し立てをもとに裁判所が投稿者の情報を開示するかどうかを判断し、SNSの運営会社や接続業者に命令を出せるようにします。

また、情報の開示を命じる前に投稿者の通信記録などが削除されないよう、あらかじめ接続業者に対して情報の消去を禁じることができるようにします。

改正案の内容は、フジテレビの番組に出演していたプロレスラーの木村花さんがひぼうや中傷を受ける中で自殺した問題をきっかけに総務省の有識者会議が議論を進めてまとめたもので、総務省は今の国会での改正を目指しています。