自殺した児童生徒 最多の
479人 高校生女子が増加

去年1年間に自殺した小中学生と高校生は合わせて479人と、前の年の1.4倍に増加し、これまでの国の調査において、過去最多となったことがわかりました。特に高校生の女子が大幅に増加しており、文部科学省は支援団体への聞き取りや、SOSを出しやすい態勢づくりを急ぐ方針です。

前年より140人増

文部科学省が厚生労働省と警察庁の統計をもとにまとめたところ、去年1年間に自殺した児童や生徒の人数は、前の年より140人増えて479人となったことがわかりました。

ここ5年の厚生労働省などによる調査では最も多く、文部科学省が異なる方法で昭和63年度から実施している調査と比べても過去最多となっています。

学校別の内訳では、
▼小学生が前の年より8人増えて14人、
▼中学生が40人増えて136人、
▼高校生が92人増えて329人となっています。

高校生の女子 2倍以上に

特に女子の増加率が高く、小学生の女子は3人から10人に増え、高校生の女子は67人から138人と2倍以上に増えています。

5月以降は毎月前の年を上回っていて、把握されている主な自殺の原因や動機としては、全体で最も多かったのが
▼「その他進路に関する悩み」で
▼「学業不振」、
▼「親子関係の不和」と続きました。

また大幅に増加した高校生の女子をみると、
▼「病気の悩み・影響」の『うつ病』が最も多く、
次いで
▼「その他進路に関する悩み」、
▼「病気の悩み・影響」の『その他の精神疾患』と続いています。

文部科学省は、高校生の女子の増加など、これまでと異なる傾向が見られるとして、支援や相談にあたっているNPO法人などの現場から話を聞くとともに、情報端末を活用したSOSを出しやすい態勢づくりなど、対策の検討を急ぐことにしています。

加藤官房長官「大変重く受け止める」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「児童・生徒が、みずから命を絶つことは、本来あってはならないことだが、実態として、これだけの方々が自殺をされていることは大変重く受け止めていかないといけない。引き続き、児童・生徒の自殺予防の取り組みを続けていきたいと考えており、文部科学省が主催する専門家の会議での議論をしっかり踏まえていきたい」と述べました。
学校や家がつらくなったり、悩みや不安を感じたりしたら電話やチャットで気軽に相談できる窓口があります。
1人で苦しまず、ぜひ話をしてみてください。▼「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310
https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm

▼「子どもの人権110番」0120-007-110
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

▼「チャイルドライン」0120-99-7777
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▼「いのちの電話の相談」0120-783-556
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▼一般社団法人日本臨床心理士会、一般社団法人日本公認心理師協会「新型コロナこころの健康相談電話」050-3628-5672