ワクチン接種や特措法を論戦
衆議院予算委員会

国会では、衆議院予算委員会が午後も開かれ、新型コロナウイルスのワクチン接種や特別措置法、感染症法の改正案などをめぐって論戦が交わされました。

自民 藤原崇氏 東日本大震災から10年「必要な復興継続を」

自民党の藤原崇氏は、3月で東日本大震災の発生から10年となることについて「来年度から『第2期復興・創生期間』として、新たなステージに入る。10年をすぎても、必要な復興を続けなければならない」と指摘しました。

これに対し菅総理大臣は「産業や、なりわいの再生、被災者の心のケアが残された課題になっている。福島については帰還移住の促進、風評の払拭(ふっしょく)など、中長期的な復興に取り組んでいく必要がある。引き続き、政府の最重要課題として福島の本格的な復興・再生、東北復興の総仕上げに全力で取り組んでいく」と述べました。

公明 遠山清彦氏 ワクチン接種「国民に最大限の情報開示すべき」

公明党の遠山清彦氏は、ワクチンの接種について「国民に安心をしてもらうために、ワクチンの承認プロセスについて、最大限の情報開示をすべきだ」と指摘しました。

これに対し菅総理大臣は「安全性や有効性に関わる情報をできるかぎり国民に公開し、正確な情報をわかりやすく提供することが、国民の信頼を高めるうえでも重要だ。資料や審議会の議事録などは、企業の知的財産権などに関わる内容を除き、迅速に公開するように努めたい」と述べました。

また、田村厚生労働大臣は「副反応に関して、自治体や国でも窓口を作るので、接種が始まったあとは情報を収集し分析したうえでしっかり情報を発信していく」と述べました。

さらに遠山氏は「新規感染者が急増する中で、看護師のマンパワー不足が深刻化している。マイナンバー制度も活用し、資格を有しながら看護師として現在働いていない人の情報を把握して、職場復帰につなげていくことが非常に重要ではないか」と指摘しました。

これに対し田村大臣は「今国会に提出予定のデジタル改革関連法案の中で、看護師の国家資格をマイナンバーを通じて管理していこうと準備している最中だ。いろいろなときに、情報が辞めた看護師本人にいく仕組みを検討している」と述べました。

立民 小川淳也氏 感染症法改正案「処罰されるべきは政府側では」

立憲民主党の小川淳也氏は、入院勧告を拒否した感染者に懲役刑などを科すことを柱とした感染症法の改正案について「自宅で亡くなる方も多発している。国民感情からすれば、むしろ処罰されるべきは、満足な入院環境を整えられなかった政府の側ではないのか」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「新型コロナウイルスの患者の中には、医療機関から無断で抜け出したという事案もある。全国知事会からも、罰則の創設を求める緊急提言をいただいている。こうしたことを踏まえて、感染拡大防止策の実効性を高めるために罰則を設けたい」と述べました。

立民 江田代表代行「なぜ与野党党首会談の声かけないのか」

立憲民主党の江田代表代行は「なぜ、与野党党首会談の声をかけないのか。新型コロナウイルス対策の特別措置法などの修正協議も本格的になり、われわれ野党もできれば一致して成立させたい」と述べ、与野党党首会談の開催を求めました。

これに対し菅総理大臣は「コロナの拡大や感染を阻止するために与野党はない。野党の提案でも真摯に受け止めたい。特別措置法の中では、私が党首会談をやることは全くやぶさかではない」と述べました。

また、菅総理大臣は「『このような感染状況でどうするか』という知見は、私にない。だから、専門家の先生方に相談させてもらいながら対応している。結果としていろんな批判があるが、私自身が、みずからの責任で、判断して行っている」と述べました。

このほか野党側が、ワクチンを全国民に提供できる数量の確保について「ことし前半を『見込んで』いるのか、それとも『目指して』いるのか」とただしたのに対し、菅総理大臣は「『目指して』いる」と述べました。

西村経済再生相 緊急事態宣言「解除しても対策は段階的に」

一方、西村経済再生担当大臣は、緊急事態宣言の解除について「東京の10万人当たりの新規感染者数の指標から計算すると、1日当たりおよそ500人という数字が出てくるが、これを下回ったからといって直ちに解除するのではなく、病床の状況などを含めて、総合的に判断していく。また、宣言を解除したとしても、対策を直ちに解除するわけではなく、段階的に解除していくことになる」と述べました。

立民 枝野代表「国民の期待に応えていく議論進めたい」

立憲民主党の枝野代表は、党の役員会で「残念ながら菅総理大臣には、まず元気がない。それから、自分が当事者だという意識が欠けていると感じる残念な審議のやり取りが続いている。われわれとしては、国民の期待にきちんと応えていく議論を引き続き進めていきたい」と述べました。