告示前に投票呼びかけか
宇都宮市議長ら書類送検

11月、行われた栃木県知事選挙で、当選した福田富一知事への投票を呼びかける内容の文書を告示前に配ったなどとして、栃木県警は宇都宮市議会の議長と、知事の次男の市議会議員ら6人を公職選挙法違反の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、宇都宮市議会の櫻井啓一議長と、福田知事の次男の福田陽議員ら6人です。

警察によりますと6人は県知事選挙が告示される前のことし10月下旬、福田知事の母校である宇都宮工業高校の野球部OB会の会員に対し、福田知事への投票を呼びかける文書、数百枚を郵送したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。

6人のうち櫻井議長ら4人はOB会のメンバーで、福田知事の後援会への入会を求める内容の文書を、櫻井議長が投票を呼びかける内容に書き換えていたということです。

櫻井議長は21日付けで「一身上の都合」を理由に議長の辞職願いを提出していて、22日、報道陣の取材に対し、「文書の中に『後援会の拡大』と書かれていたが、後援会への入会をお願いする意図で『支援、協力をお願いします』と書き換えてしまった。投票を呼びかけるつもりはなく違法性の認識はなかった」などと説明しました。

また、福田市議は取材に対し「もっと文章をしっかり確認するべきだった。中途半端な関わり方をしてしまったことを反省したい」と話しています。

宇都宮市議会 櫻井議長「自覚が足りなかった」

宇都宮市議会の櫻井啓一議長は、22日開かれた市議会の各会派代表者会議で「慎重性に欠けたことをしてしまった。公職であり議長という重責である中、自分自身の自覚が足りなかったと反省している。知事、後援会に対してもおわび申し上げる」と謝罪しました。

代表者会議のあと櫻井議長は報道陣の取材に応じ「母校である宇都宮工業高校の野球部のOB会の先輩に頼まれて文書の配布に関わった。文書の中に『後援会の拡大』と書かれていたが、後援会への入会をお願いする意図で『支援、協力をお願いします』と書き換えてしまった。投票を呼びかけるつもりはなく違法性の認識はなかった」などと説明しました。

福田知事「大変申し訳ない」

福田知事は22日午後、県庁で報道陣に対し「後援会活動を応援する有志の思いが違反文書という形で発出されてしまった。選挙の公平性を阻害し大変申し訳なく思っている。そういう行為が告示前に行われたという事実も知らなかった。公職選挙法に対する後援会自体の姿勢が甘く、注意喚起をしていく必要があったと今は思っている」と述べました。