戦没者遺骨問題 厚労省が
新たな判定手順を公表

戦没者の遺骨取り違え問題を受けて、厚生労働省は17日、遺骨が日本人のものかどうか判断する、新たな判定手順を公表しました。
DNA鑑定などの科学技術を活用して遺骨を分析し、これまでに収集されたおよそ1万人分の遺骨については、今後3年程度で日本人の遺骨かどうかの判定を終えたいとしています。

戦没者の遺骨収集事業をめぐっては、厚生労働省が日本人ではない遺骨を取り違えた疑いを把握しながら、長年放置していたことが明らかになり、ことし5月、これまでの遺骨収集や鑑定の在り方を抜本的に見直す再発防止策が公表されています。

これを受けて厚生労働省は17日、遺骨が日本人のものかどうか判断する新たな判定手順を公表しました。

それによりますと、まずDNA鑑定によって日本人の可能性が高いかどうか分析し、埋葬場所の状況なども考慮して判定するとしています。

そして、DNA鑑定などで判定できなかった場合には、遺伝子の配列を短時間で大量に読み取ることが可能な「次世代シークエンサ」と呼ばれる装置を使って分析し、日本人ではない可能性がある遺骨については、返還に向けて相手国と協議するとしていて、判定結果についても、そのつど公表するとしています。

また厚生労働省はこれまで、全国12の大学に委託してDNA鑑定を進めていましたが、分析を加速させる必要があるとして、独自にDNA鑑定を行う新たな分析施設の設置を検討するとしています。

厚生労働省は、これまでに収集した128万人余りの遺骨のうち、DNA鑑定に必要な検体を採取している、およそ1万人分について、今後3年程度で日本人の遺骨かどうかの判定を終えたいとしています。