日本の「保育者」 仕事時間
最長 OECDの9か国調査
保育士や幼稚園教諭など「保育者」の勤務状況について初の国際的な調査が行われ、日本は参加した9か国のうち、仕事にかける時間が最も長かった一方、給与への満足度は下から2番目の低さとなりました。
調査は、OECD=経済協力開発機構がおととし、日本や韓国、それにドイツやノルウェーなど9か国を対象に初めて行い、日本では全国216の幼稚園や保育所、それに認定こども園で働く保育士や幼稚園教諭など「保育者」1616人が回答しました。
調査では、自宅への持ち帰りも含めた1週間の仕事の時間は、最も短いアイスランドが33.5時間、ドイツが40.1時間、韓国が46.6時間となるなか、日本は50.4時間と9か国で最も長くなりました。中でも、勤務年数が3年以下の日本の「保育者」は、54時間と特に長くなっています。
一方で、子どもと接していない時間も16.9時間と韓国に次いで2番目に長く、「活動の計画・準備」や「一般的な事務作業」などが主な理由に挙がりました。
こうした中、給与に満足している人の割合は、トルコが最も高く39%、次いで韓国が38%、日本は23%と、9か国の中でアイスランドの次に低い満足度となりました。
日本の調査にあたった国立教育政策研究所、杉浦健太郎総括研究官は「日本の社会全体でも労働時間がかなり長いことが背景にあると思う。誇りと自信を持って現場で取り組めるような環境整備が大事だ。結果を政策のさまざまな側面で生かしてほしい」と話しています。