75歳以上医療費負担引上げ
医師会など慎重対応決議

75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げる政府の方針をめぐり、日本医師会などは「経済的にも身体的にも高齢者には大きなダメージになる」などとして、慎重な対応を求める決議をまとめました。

75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担をめぐって、政府は一定以上の所得がある人には、現在の原則1割負担から2割に引き上げる方針で、所得の線引きなどの検討を進めています。

日本医師会や日本歯科医師会、日本薬剤師会など40余りの医療関係団体は、オンライン形式で緊急の会合を開き、政府に慎重な対応を求める決議をまとめました。

決議では「負担割合の引き上げは、高齢者を必要な医療からさらに遠ざけ、経済的にも身体的にも大きなダメージになる」としています。

そのうえで「新型コロナウイルスへの感染の不安から『受診控え』が続いている時期に、このような政策を進めることに国民の信頼は得られない」として、慎重な対応を求めています。

会合で日本医師会の中川会長は「このような時期に、負担割合を倍にするという議論には、社会保障の優しさが全く感じられない」と述べました。

また、日本歯科医師会の堀会長は「実施時期も慎重な議論をお願いしたい」と述べました。