富山県知事選 3人が立候補
半世紀ぶりに「保守分裂」

半世紀ぶりに「保守分裂」の構図となった富山県知事選挙が8日告示され、合わせて3人が立候補しました。

富山県知事選挙に立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属の、
▽新人で、ガス会社の元社長、新田八朗氏。(62)
▽新人で、NGO代表の川渕映子氏。(71)
▽5期目を目指す現職で、自民党、公明党、国民民主党の地方組織が推薦する石井隆一氏。(74)
の3人です。

3人は、届け出を済ませたあと、さっそく街頭に出て支持を呼びかけました。

▽新田候補は「私は40年近く民間企業で働いてきた。スピード感を重視してお客さまの目線を大切に現場の声がどんどん聞こえてくる風通しのいい組織風土を作るため変化を恐れず変革を促していく。こうした民間の流儀を富山県に大いに取り込んでいき新しい富山に変えていく」と訴えました。

▽川渕候補は「災害で生活が困難になった人や貧しい中で生活している子どもなどさまざまな人たちが生きていく力をボランティアの現場で目の当たりにしてきた。その経験を県政に生かしたい。県民と一緒に育む美しい富山をつくるため女性初の富山県知事に押し上げてほしい」と訴えました。

▽石井候補は「新型コロナウイルスから県民を守り抜き、新たな飛躍に向けて挑戦するため全身全霊で働くことを誓う。新型コロナの影響でことしから来年にかけて県の税収が大幅に減少する厳しい局面になるが長年税財政の問題に関わってきた私を信頼してぜひ任せてほしい」と訴えました。

富山県は、有権者に占める自民党員の比率が全国で最も高く、自民党富山県連は、今回、石井氏を推薦しました。

しかし、一部の県議会議員などは県政の刷新が必要だとして、新田氏の支援に回り、51年ぶりに「保守分裂」の構図になりました。新田氏は、日本維新の会の国会議員などからも支援を受けています。

共産党と社民党は、川渕氏を支援しています。

選挙戦では、4期16年にわたる石井県政への評価や、新型コロナウイルス対策、それに地域経済の活性化策などが争点になる見通しです。

富山県知事選挙は、今月25日に投票が行われ、即日開票されます。