伊方原発の乾式貯蔵施設
原子力規制委の審査に合格

愛媛県の伊方原子力発電所で増え続ける使用済み核燃料を一時保管するために、四国電力が計画している冷却に水を使わない乾式の貯蔵施設について、原子力規制委員会は審査に合格したことを示す審査書を取りまとめました。

愛媛県にある四国電力の伊方原発では、3号機の再稼働で増え続ける使用済み核燃料を、水を使わず空冷で熱を取り去る特殊な容器に入れて一時保管する乾式貯蔵施設の建設を計画しています。

これについて、2年前から審査をしてきた原子力規制委員会は、16日の定例会で耐震性や放射線を遮る能力などに問題がないとして、審査に合格したことを示す審査書を取りまとめました。

使用済み核燃料は、青森県の再処理工場で順次処理される予定ですが、本格操業が遅れているため、全国の原発で運び出しができない状態が続いています。

四国電力によりますと、伊方原発の使用済み核燃料を貯蔵するプールでは残り240体ほどのスペースしかなく、このままだと6年程度で満杯になるおそれがあるため、令和6年度からおよそ1200体の保管ができる乾式貯蔵施設の運用を始める方針です。

乾式貯蔵施設は、現在主流のプールの中で冷却する方法と違って、水を使わず電源も必要としないため構造がシンプルで地震に強いとされ、電力各社が導入を進めています。