河井元法相の裁判 今週の
予定取り消し 妻の裁判分離

公職選挙法違反の罪に問われ、無罪を主張している河井克行元法務大臣が弁護士を解任したことを受けて、東京地方裁判所は、元大臣については今週の裁判の予定を取り消しました。
一方、案里議員の裁判は分離し、審理を続けることを決めました。

元法務大臣の河井克行被告(57)と妻で参議院議員の案里被告(46)は、去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、いずれも無罪を主張しています。

15日、8回目の裁判が開かれた後、河井元大臣が弁護士の6人全員を解任したことを受けて、東京地方裁判所は、元大臣については16日から18日までの3回の裁判の予定を取り消しました。

16日の裁判にも元大臣は出廷せず、新たな弁護士が選任され、準備が整うまで、開かれない見通しです。

一方、これまでともに審理されてきた案里議員の裁判については、16日の裁判の冒頭で、高橋康明裁判長が「元大臣の弁護士の解任によって案里議員の裁判の進行が妨げられることはあってはならない」と述べ、別に開くことを決めたと伝えました。

16日からは地元議員に対する証人尋問が始まる見通しで、広島県議会元議長の奥原信也議員が出廷する予定です。

地元議員「違法な裏金という認識あった」

公職選挙法違反の罪に問われている河井案里議員の裁判で、地元議員に対する証人尋問が始まり、広島県議会の元議長が現金を受け取ったことについて「違法な裏金だという認識があった」と証言しました。

参議院議員の河井案里被告(46)は去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張していて、夫で元法務大臣の克行被告(57)が弁護士を解任したことから、裁判が別々に開かれることになりました。

16日から検察が現金の提供先としている地元議員の証人尋問が始まり、広島県議会の元議長、奥原信也議員が出廷しました。

検察は起訴内容で去年4月から6月にかけて、元大臣と案里議員の両方から3回にわたって、合わせて200万円を受け取ったとしています。

検察が違法性の認識について尋ねると、奥原議員は「収支報告書に記載できない違法な裏金だという認識があった。当時は当選が危ぶまれる状況だったため、票集めを依頼する意味合いがあったのだと思う」と証言しました。

また、なぜ受け取ったのか聞かれると「受け取らなければ案里議員の選挙の応援をしないと思われるので受け取った」と答えました。