ロナワクチン健康被害
国補償で法的措置へ

新型コロナウイルスのワクチンの確保に向け、海外の製薬会社との交渉を円滑に進めるため、政府は、健康被害が生じた場合の損害賠償による、製薬会社などの損失を国が補償することができるよう、接種の開始前までに法的措置を講じることを決めました。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、政府は、28日の対策本部で、来年前半までに、すべての国民に提供できる数の確保を目指すなどとした今後の取り組みを決定しました。

また、このあと開かれた臨時閣議で、ワクチン接種で健康被害が生じた場合の損害賠償による製薬会社などの損失を、国が補償することができるよう、接種の開始前までに法的措置を講じる方針も決めました。

厚生労働省によりますと、海外の製薬会社は、ワクチンを供給する前提として国による損失の補償を求めていて、今回方針が決まったことにより、交渉が円滑に進むことが期待されるということです。

加藤厚生労働大臣は、記者会見で「供給を受けるまでに損失補償が法律的に担保されることが必要だ」と述べ、法整備を急ぐ考えを示しました。

2000万人分の供給 米製薬会社と交渉

また加藤厚生労働大臣は、新型コロナウイルスのワクチンをめぐって、アメリカの製薬会社モデルナが開発中のワクチン2000万人分の供給を来年上半期から受ける方向で交渉を進めていることを明らかにしました。

加藤厚生労働大臣は記者会見で「アメリカのモデルナ社のワクチンについて、武田薬品工業による国内の販売流通のもとで、来年上半期から4000万回分以上の供給を前提として交渉を進めている」と述べました。

1人当たり2回の接種が想定されるため、人数にすると2000万人分になるということです。

ワクチンをめぐって政府は、アメリカの製薬大手ファイザーと、開発に成功した場合、来年6月末までに6000万人分を、イギリスの製薬大手アストラゼネカとは来年1月以降、6000万人分の供給を、それぞれ受けることで基本合意しています。

加藤大臣は「単純に足し合わせれば、全国民分を超えるワクチンの確保につながる。来年前半までに全国民分のワクチン供給ができるように各社としっかり協議を進めていきたい」と述べました。

“「HER-SYS」幅広い分析できていない状況”

国が新たに導入した、新型コロナウイルスの感染者の情報を管理するシステム「HER-SYS」(ハーシス)で、保健所や医療機関が入力した、感染状況の把握に必要な「発症日」などのデータを分析できなくなっている問題で、加藤厚生労働大臣は28日の会見で「発症日などの情報は非常に大事だが、入力されているものとされていないものがあり、今一つひとつ潰している。的確な情報として入っているものであればそこだけをとって分析できる状況にはあるが、従来のデータベースから情報を移行する際の『データクリーニング』という作業が終わっていないので幅広く分析することができていない状況だ。全体としてデータを分析しなければ傾向は見ることができないのでそれに向けて努力をしている」と述べました。

その上で「東京と大阪はHER-SYSに移行した時期が遅く、ばく大なデータがあるため完全な移行ができていない。できるだけ速やかに移行して改善すべき点は改善することでリアルタイムに情報が入って分析し感染状況を示せる環境を作っていきたい」などと述べました。