島県産米 サンプル検査
移行へ 周辺12市町村除く

東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと福島県産のすべてのコメを対象に行われていた放射性物質の検査が、ことし生産されたコメから原発周辺で生産されたものを除いてサンプル検査に移行することになり、24日から検体の受け入れが始まりました。

福島県産のコメの放射性物質の検査は、原発事故の翌年に生産されたコメから去年生産されたものまで、すべてを対象にした「全袋検査」が行われてきましたが、平成27年産から5年続けて基準値を超えるものが出ていません。

このため、ことし生産されたコメから、原発周辺の12市町村を除いて、一部を調べる「サンプル検査」に移行することになり、24日から郡山市の県農業総合センターで検体の受け入れが始まりました。

サンプル検査は、昭和25年当時の旧市町村の区域に応じて県内の357の地区で行われ、24日は二本松市、大玉村、それに会津坂下町から「早期出荷米」と呼ばれる収穫時期が早い品種のコメが運び込まれて放射能を検出する機器にかけられました。

地区ごとに3つのサンプルを検査して、すべてが基準を下回れば出荷が認められます。

「早期出荷米」は生産者が少ないため生産者ごとに1つのサンプルを検査します。

福島県水田畑作課の渡邊敏弘主幹は「5年間、基準値超えが出ておらず、サンプル検査で安全性は十分担保できると考えている。引き続きサンプルでの検査も続け、消費者に安全性をPRしたい」と話しています。