柳瀬元秘書官 加計学園
関係者と面会認める方向

「加計学園」の獣医学部新設を巡り、柳瀬元総理大臣秘書官は3年前に、加計学園の関係者と総理大臣官邸で面会したことを国会で認める方向で調整していることがわかりました。

「加計学園」の獣医学部新設を巡っては、3年前に愛媛県の担当者が加計学園の関係者らとともに総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとされる文書が残されていて、当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官が「本件は、首相案件」などと発言したと記載されています。

これに対し、柳瀬元総理大臣秘書官は、先月10日に「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」「私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはありえません」などとするコメントを出していました。

関係者によりますと、これについて柳瀬元秘書官は、加計学園の関係者とは、総理大臣官邸で面会していたことを今後、国会で認める方向で調整を進めているということです。

愛媛県の担当者が作成したとされる文書は、農林水産省内に残されていたほか、文部科学省でも、愛媛県の担当者らが総理大臣官邸を訪問する予定であることを内閣府側から伝えるメールが見つかっています。

その後、柳瀬元秘書官は、先月20日には記者団に対して「国会に呼ばれましたら誠実にしっかりお答えいたします。国会のご判断に従います」と述べていました。

「加計学園」の獣医学部新設を巡っては、政府・与党が大型連休明けに柳瀬元秘書官を参考人招致したうえで、予算委員会で集中審議を行う用意があると野党側に伝えており、国会招致が行われれば、こうした内容を説明するものとみられます。

愛媛県幹部「柳瀬氏は正直に説明を」

これについて愛媛県の幹部はNHKの取材に対し、「県としては文書のとおりの認識であり、国側としてどう対応するかはそれぞれの機関の問題だが、柳瀬氏が国会で話すのであれば、『会った』とか、『会わなかった』とかではなく、説明できる内容はきちんと正直に丁寧に説明してほしい」と述べました。また、別の幹部は「柳瀬氏は早く事実を認めてほしいし、国会で真相が解明されることが望ましいと思う」と述べました。

立民 辻元氏「加計学園ありき」裏付けられた

立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し、「3年前から『加計学園ありき』でシナリオが作られていたことが裏付けられた。安倍総理大臣の関与も含めて、疑惑はますます深まった。柳瀬元総理大臣秘書官には、早期に国会に来て真実を話してもらう必要がある。早く追及した方がいいという気持ちもあるので、どこで折り合えるのか、ほかの野党とも相談したい」と述べました。