索データでみる都知事選
候補者への関心は

今回の東京都知事選挙でネットの利用者はどんな情報を求めたのか。インターネット大手、ヤフーの検索データをもとに分析したところ、現職の小池百合子氏については公約や経歴に関して知りたいという人が多かったほか、検索された件数が最も多かったのは公約や街頭演説などが話題になった山本太郎氏でした。

分析に使ったのは東京都内のヤフーのユーザーが先月1日から投票日前日の今月4日までのおよそ1か月間に検索したデータです。主な候補者とともに検索されたワードの数や内容を分析しました。

候補者へのネットの関心は?

現職の都知事の小池氏について検索されたワードで多かったのは「公約」でした。今回の選挙の公約だけでなく、前回選挙で掲げた公約が1期目でどの程度達成されたのかについて調べる人の多かったことがうかがえます。

このほか多かったワードは「若いころ」や「カイロ大学」「女帝」などで、小池氏の学歴を巡る指摘やことし出版された小池氏についての本が話題になったことで経歴や人となりについての関心が高かったとみられます。

山本太郎氏について多かった検索ワードは「公約」のほか「街頭演説」や「演説予定」などでした。新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと人が多く集まる街頭演説を避ける候補もいる中で、山本氏は街頭での活動に力を入れたこともあって、演説の予定や内容を知りたがる人が多かったことがうかがえます。

宇都宮健児氏については「公約」や支援を受けた「共産党」というワードのほか「山本太郎」というワードも多く検索されていて、山本氏との政策の違いなどを知りたいという人が多かったとみられます。

一方で宇都宮氏について最も検索されたワードは「慰安婦」や「慰安婦像」でした。ことし2月に出版された宇都宮氏の著書での慰安婦問題などを巡る記述についてネットで話題になったためとみられ、検索では選挙の「公約」よりも多くの関心を集めていました。

熊本県元副知事の小野泰輔氏については「経歴」が「公約」よりも多く検索されていました。主な候補者のなかで東京では比較的知名度が低いことから、小野氏の経歴や人物評などを調べようとする人が多かったとみられます。

選挙期間中の検索回数最多は山本氏

一方、都知事選が告示された先月18日から今月4日までの期間中に候補者の名前で検索された数をみると最も多かったのは山本氏でした。

ネットの検索件数は利用者がどのような情報を探しているのかを表すため、実際の選挙結果とは異なる傾向もありますが、今回の選挙の期間中、ほとんどの日で山本氏について検索された数が最も多く、期間中の件数の合計では小池氏の約1.4倍に上っていました。