後島に「領土割譲禁止」
記念碑 ロシア憲法改正受け

ロシアで、領土の割譲を禁止する項目が盛り込まれた憲法の改正が決まったことを受けて、北方領土の国後島では、地元の行政当局などがこれを記念する碑を設置し、島々は引き渡さないとする強硬な立場をアピールしました。

ロシアでは1日、憲法改正の是非を問う全国投票が行われ、賛成は8割近くにのぼり、憲法は改正されることになりました。

改正される憲法には「領土の割譲やそれを呼びかける行為は認められない」として、他国への領土の割譲を禁止する項目が新たに盛り込まれました。

これを受けて、ロシアが事実上管轄する北方領土の国後島では2日、島の行政当局や若者の団体によって、憲法改正の成立を記念する石碑が新たに設置されました。

記念碑には領土の割譲を禁止する項目の文言のほか、ロシアの地図が刻まれ、このなかには北方領土も含まれています。

国後島と色丹島を事実上管轄する行政府のブラセンコ地区長は「われわれの地区の住民は憲法改正に賛成した。島々は永遠にロシアの土地だ」と述べて、北方領土は引き渡さないとする強硬な立場をアピールしました。

憲法改正が決まったことを受けて、ロシアの外務次官は日本との平和条約交渉の継続は可能だと発言していますが、プーチン政権が後押しする愛国主義を背景に領土問題に対する強硬な世論が一段と高まっています。

茂木外相「引き続き粘り強く交渉」

茂木外務大臣は、閣議の後の記者会見で「ロシア側のさまざまな動きは、承知している」としたうえで、「平和条約交渉は政府と政府の間で進められる交渉だ。安倍総理大臣とプーチン大統領の合意に基づき、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉に取り組んでいきたい」と述べました。