型コロナ対策の
第2次補正予算 その内容は

12日成立した新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための第2次補正予算。追加の歳出が一般会計の総額で31兆9114億円と、補正予算としては過去最大となり、感染拡大の防止や治療薬の開発、医療提供体制の整備に2兆9892億円が盛り込まれました。その内容の詳細です。

緊急包括支援交付金拡充

病床の確保や人工呼吸器の整備など、地域の医療提供体制を強化するため、「緊急包括支援交付金」を2兆2370億円増額します。

この中で、
▽患者を受け入れている医療機関の従事者や感染が発生した介護施設などの職員に対して慰労金として20万円
▽受け入れのために病床を確保した医療機関の従事者などに10万円
▽そのほかの医療機関などで働く人には5万円を支給します。

医療用物資の確保

医療現場で医療用のマスクやガウンなどが不足していることから国がメーカーなどからこうした医療物資を買い上げ、患者を受け入れている医療機関に優先的に配布するため、4379億円を計上しました。

治療薬・ワクチン

新型コロナウイルスへの効果が期待されている治療薬やワクチンの開発資金の補助のほか、早期の実用化に向けて、生産体制を整備するための費用として2055億円が計上されました。

妊婦PCR検査

生まれてきた赤ちゃんや立ち会いの助産師などが新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減するため出産間近の妊婦で、希望する人には、国が費用を全額補助して、PCR検査を実施します。

ひとり親世帯への支援

経済的に厳しい状況に置かれているひとり親世帯に臨時の給付金を支給する費用として、1365億円を計上しました。

▽児童扶養手当の受給世帯に5万円を支給し、第2子以降は3万円を加算するのに加え、
▽児童扶養手当を受け取っていないひとり親世帯も含め、収入が大きく減少した場合は5万円を支給します。

大学などの授業料の減免

家計が苦しくなって学業の継続が困難になっている学生を支援するため学校側が授業料などの減免を行った場合に国が補助する費用として、153億円を充てます。

▽国立の大学や高等専門学校などでは減免額の全額
▽私立大学などでは3分の2を国が補助します。

教員 学習指導員追加配置

休校が続いた学校の再開に伴い学習の遅れを取り戻すために必要となる教職員などの人材確保を支援するため、318億円を計上しました。

具体的には、
▽地域の感染状況に応じて、小学6年生や中学3年生の授業を少人数で行うため本来の定員に加えて3100人の教員を配置するほか
▽チーム・ティーチングなどにあたる学習指導員などを追加で配置する費用を補助します。

学校感染症対策 学習保障

学校での感染症対策や家庭用の学習教材の整備などを進めるため、小中学校や高校などを対象に、地域の感染状況などに応じて、1校当たり100万円から300万円程度を緊急的に支給します。これに必要な費用などとして、421億円を充てます。

雇用調整助成金の拡充

一時的な休業などで従業員の雇用維持を図る企業に対して、休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」について、現在、1人1日当たり8330円となっている上限額を1万5000円、月額でみると、33万円に引き上げます。

上限額や助成率の引き上げの特例が適用される期間を9月末まで延長し、解雇を行わない中小企業には全額を助成します。

休業支援金制度の創設

勤め先の企業の資金繰りの悪化などの理由で休業手当を受け取れない人に対しては、国が直接、給付する「休業支援金」の制度を創設するため5400億円余りを計上しました。中小企業で働く人が対象で、給付率は休業前の賃金の8割とします。

上限額は雇用調整助成金の水準と合わせて月額33万円とし、適用される期間もことし4月から9月末までとなります。

家賃支援給付金の創設

事業者の賃料の負担を軽減するため、「家賃支援給付金」の創設に2兆242億円を盛り込みました。

対象となるのは、売り上げが去年より、ひと月で50%以上減少した事業者や、3か月で30%以上減少した事業者で、
▽中堅・中小企業は月に50万円、
▽個人事業主は25万円を上限に、原則、賃料の3分の2を半年間給付します。

また複数の店舗を借りている事業者には、例外措置として、上限額を
▽中堅・中小企業は100万円
▽個人事業主は50万円に引き上げます。

持続化給付金

中小企業や個人事業主などに最大200万円を給付する「持続化給付金」について、対象の拡大などに対応するため1兆9400億円を追加で計上しました。
ことし1月から3月末までに創業した事業者も新たに対象に加えます。影響を受けた月の売り上げが3月までの平均より50%以上減少していることが条件です。

また、フリーランスのうち、収入を「雑所得」や「給与所得」として確定申告していた人も、申請できるようにします。

資金繰り支援・資本増強策

企業の財務基盤の強化策や無利子・無担保の融資制度など資金繰り支援の拡充に11兆6390億円を計上し、新たに94兆円規模の資金枠を設けます。

この中で、影響の長期化で企業が資本不足に陥るのを防ぐため、融資や出資のための12兆円規模の資金枠を設けます。

▽政府系金融機関による「劣後ローン」と呼ばれる返済順位が低い融資や
▽日本政策投資銀行を通じた大企業や中堅企業向けの出資枠の上積みを行うほか、
▽地域経済活性化支援機構などを通じた中堅・中小企業向けの出資や融資の枠を拡大します。

公的資金の注入しやすく

金融機関による資金繰り支援を後押しするため金融機能強化法を改正し、融資にあたる銀行や信用金庫の財務基盤が悪化するのに備え、注入できる公的資金の枠を15兆円に拡大するとともに条件も緩和します。

その他の政策

▽感染症対策や地域経済の活性化などのために設けた「地方創生臨時交付金」を2兆円増額し、3兆円とします。
▽芸術家やアスリートの支援に向け、文化芸術やスポーツの団体などに最大150万円を支給するための費用として560億円を盛り込みました。
このほか、
▽現金10万円の一律給付の申請でアクセスが集中しているマイナンバーカードのシステムを増強する経費として9億円を計上しました。

予備費

影響が長期化した場合に備えて予備費を10兆円積み増します。

政府は第2波、第3波が襲来して事態が深刻化した場合、少なくとも5兆円程度の予算が必要になると見込み、その内訳は、
▽雇用維持や生活支援に1兆円
▽事業の継続に2兆円
▽医療提供体制の強化に2兆円程度だとしています。

残りの5兆円も含めて、予備費の使用に際しては適時適切に国会に報告をするとしています。

財源

必要な財源は全額を国債の追加発行で賄い、
▽赤字国債を22兆6124億円
▽建設国債を9兆2990億円、発行します。

これにより、当初予算と第1次補正予算を含めた今年度の国債の新規発行額は過去最大の90兆2000億円に達し、歳入の56.3%を国債に頼ることになります。