った非正規労働者 なぜ
男性より女性が多いのか

女性の非正規労働者は71万人の減少ー。国の調査ではことし4月の非正規労働者の雇用は、去年の同じ月と比べて97万人減少し、このうち7割以上は女性の労働者でした。新型コロナウイルスの影響とみられていますが、なぜ、男性より女性のほうがより影響を受けたのでしょうか。

データを分析してみると…。
今回、分析したのは先月末に公表された労働力調査です。総務省が毎月、公表しているもので、正規や非正規、産業別の労働者の数などが分かるデータです。

それによりますと、パートや派遣社員などで働く非正規労働者は、ことし4月の時点で2019万人。去年の同じ月と比べて97万人減少していました。このうち、女性は71万人と7割以上を占めていました。

次に、女性が減少した産業をくわしく見てみました。
▽最も減少していたのは「飲食店」で16万人
▽次いで「飲食料品小売業」が8万人
▽「卸売業」が7万人
▽「食料品製造業」が6万人
▽「宿泊業」が5万人
▽「洗濯・理容・美容・浴場業」が4万人などとなっていました。

やはり、飲食店や小売、宿泊など、新型コロナウイルスによる自粛の影響を受けた産業で多くなっているのが分かります。

でもなぜ、女性が多いのでしょうか?そこで、今度は産業ごとに、正規と非正規労働者を合わせた働く人に占める女性の非正規労働者の割合を算出してみました。

するとー。
▽「飲食料品小売り業」が62%
▽「飲食店」が57%
▽「洗濯・理容・美容・浴場業」が49%
▽「宿泊業」が44%
▽「食料品製造業」が39%などとなっていました。

今回、女性が雇用を大きく減らした産業は、実はそもそも、女性の非正規労働者が占める割合が大きかったところでもありました。つまり、影響が大きかった産業では、就業構造的に女性の割合が極めて高くなっていたのです。

確かに、いずれも女性の多い職場という印象はありましたが、正直、ここまでとは驚きました。

そもそもリーマンショックで正規雇用への転換が進んだはずでは…。
そこで改めて正規と非正規労働者についてデータを分析してみました。

2019年とリーマンショックの翌年の2009年を比べてみると、正規労働者の増加は99万人だったのに対し、非正規労働者は438万人増えていました。

さらに、増加した非正規労働者の6割以上に当たる275万人は女性でした。リーマンショックから10年余りたち、特に女性の非正規労働者が増えていたのです。そして、それらの多くは今回、影響をもろにうけた職種だったとみられます。

こうした状況に、労働や格差の問題に詳しい早稲田大学の橋本健二教授は次のように指摘しています。

「自粛要請を受けた職種では女性の非正規労働者が占める割合が高く、構造的に見ても影響を受けやすくなっている。失業状態に近い休業者も多いとみられ、来月のデータには、さらに深刻な影響が表れるおそれがある。国は休業補償の手続きを簡略化するとともに、消極的な企業に対しては申請を促すなどの対策が求められる」