SNS中傷対策 ヤフーが
識別技術を他企業に提供へ

SNS上でのひぼうや中傷が問題になる中、IT大手のヤフーは、AI=人工知能を使ってネット上の不適切な投稿を識別する自社の技術を、ほかの企業に提供する方針を明らかにしました。業界全体の対策強化につなげるねらいです。

先月、民放の番組に出演していたプロレスラーの女性が、SNS上でのひぼう中傷の投稿が相次ぐ中で亡くなり、ネット上のひぼうや中傷が大きな問題になっています。

これを受けてヤフーは、AIを使って不適切な投稿を識別する自社の技術について、今後、SNSなどを運営するほかの企業に提供する方針を明らかにしました。業界全体での対策強化につなげるねらいです。

また、投稿の削除などをめぐる法律上の課題などを議論するため、今月中をめどに有識者を集めた検討会を設けるということです。

ヤフーによりますと、運営するニュースサイトでは1日におよそ29万件の投稿があり、このうちおよそ2万件についてAIを使って削除しているということです。

この問題では、総務省の有識者会議が、ネット上でひぼうや中傷を受けた人が、匿名で投稿した人物の情報開示を請求できる、「プロバイダ責任制限法」の仕組みについて、手続きを円滑にするための見直しなどを検討しています。