内原発2号機運転停止
テロ等対策施設完成せず

鹿児島県にある川内原子力発電所2号機について、九州電力は国の新しい規制基準で設置が義務づけられている、テロなどの対策施設が期限内に完成しないとして、20日午後1時前、運転を停止しました。稼働中の原発が新しい規制基準に基づいて停止するのは全国で2基目です。

原子力規制委員会は福島第一原発の事故を教訓につくられた新しい規制基準に基づいて、テロや航空機の衝突といった緊急時に原子炉を守る施設を、工事計画の認可から5年以内に完成させることを義務づけています。

これについて九州電力は、川内原発2号機で施設の完成が期限内に間に合わないとして、定期検査を前倒しする形で運転を停止することを決め、20日午前2時半から原子炉の出力を下げる作業を開始し、午後0時49分に原子炉を止め、運転を停止しました。

九州電力ではテロなどの対策施設の工事を急ぎ、年明けまでには完成させて、規制委員会の検査を受け、来年1月に再稼働、2月には営業運転に入りたいとしています。

福島の原発事故のあと、7年前につくられた新しい規制基準に基づいて、稼働中の原発が運転を停止するのは、今回と同じ理由でことし3月に運転停止した川内原発1号機に続いて全国で2基目です。

規制委員会は原発事故の前、当時の規制機関だった原子力安全・保安院が津波の評価や対策に明確な期限を設けず、結果的に福島第一原発のメルトダウンを防げなかった教訓などを踏まえ、電力会社に対して期限の延長を認めない方針をとっています。

川内原発のほか、福井県にある関西電力の高浜原発3号機と4号機がことし8月と10月に期限を迎えるほか、愛媛県にある四国電力の伊方原発3号機も来年3月が期限で、いずれも施設の完成が間に合わない見通しです。