原検査キット 一部医療
機関に 検査迅速化期待

13日承認された新型コロナウイルスの簡易検査「抗原検査」のキットが、15日から一部の医療機関に届き始めています。検査や診療の迅速化につながると期待されています。

「抗原検査」は新型コロナウイルスへの感染を30分ほどで調べられる簡易検査で、13日、厚生労働省が検査キットを承認しました。

当面は特定の地域の「帰国者・接触者外来」などおよそ1300の医療機関で使用されることになっていて、このうち東京 新宿区の国立国際医療研究センターなどに15日から検査キットが届き始めています。

検査の検体は鼻の奥から採取しますが、この病院の医療従事者は感染を防ぐため医療用のマスクとフェイスシールド、手袋や防護服を着用して対応することにしています。

採取した検体を含む液体をキットに垂らして、線が浮かび上がるか確認する作業についても、この病院ではウイルスが外に拡散しないよう、内部の気圧を低くできる陰圧対応のスペースで行うということです。

現在のPCR検査と比べて精度は低いものの、検査や診療の迅速化につながると期待されています。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「現在のPCR検査は、時間がかかり対応が遅れてしまうと感じていたため、短時間で済む検査方法を待ち望んでいた。新しい方法なので、現場で使いながらよりよい使い方を模索していきたい」と話していました。

開発の会社「精度の改良を」

検査キットを開発した富士レビオによりますと、全国で週に20万回分が順次、供給される見込みです。

富士レビオは「医療現場と連携し、実際に検査した際のデータの研究を重ね、精度の改良を進めたい」とコメントしています。