急事態宣言解除39県の
うち休業要請解除は21県

NHKが各地の放送局を通じて、国の緊急事態宣言が解除された39の県の対応をまとめたところ、15日午後6時半の時点で、感染防止対策を求めたうえで、休業要請を解除したり解除を決めたりしたのは21の県、休業要請を緩和したり緩和を決めたりしたのは14の県で、休業要請を継続しているのは2つの県です。岡山県と徳島県は休業要請を行っていません。

14日の緊急事態宣言の解除後も休業要請を継続しているのは、要請を緩和した自治体も含めると、これまでに全体の4割となっています。

また、8つの特定警戒都道府県のうち、休業要請の緩和を決めたのは4つの道府県となっています。

【もともと要請なし】
徳島、岡山

【解除】
青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、栃木、新潟、福井、静岡、三重、滋賀、鳥取、山口、香川、高知、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄

【緩和】
北海道、茨城、群馬、富山、石川、山梨、長野、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、広島、愛媛、福岡、佐賀

【継続】
埼玉、千葉、東京、神奈川、島根、大分

奈良 スーパー湯が営業再開

緊急事態宣言が解除された奈良県では、これまで行っていた休業要請を15日から一部を除いて解除しています。

先月から営業を自粛していた奈良市のスーパー銭湯では、16日からの本格的な営業再開を前に15日、店を無料で開放することになり、従業員たちは午前11時の開店を前に風呂場の掃除など準備を進めていました。

開店時間になると、再開を待ち望んでいた人たちが、体温を測ったりアルコールで手を消毒したりしたうえで店に入っていきました。

近くに住む70代の女性は「毎日通っていたのに閉まってしまい、友達とも会えなくなってさみしかったです。再開してくれてうれしいです。友達にも知らせます」と話していました。

スーパー銭湯の担当者は「お客さんの笑顔が見られるので、再開できてうれしいです。一方で感染が拡大しないよう、一層、気を引き締めて運営していきたい」と話していました。

宇都宮 遊園地が1か月ぶりに営業再開

緊急事態宣言の解除から一夜明けた15日、休業要請の対象となっていた宇都宮市の遊園地「とちのきファミリーランド」がおよそ1か月ぶりに営業を再開しました。

緊急事態宣言に伴って先月11日から臨時休園してきましたが、今月11日からは感染防止対策を徹底すれば再開できるように県の要請が緩和され、準備を進めてきました。

再開初日の15日は、家族連れなどが次々に訪れました。施設では入園時に検温を行うほか、万一、感染者が出た場合に連絡が取れるように、氏名などを書類に記入してもらっています。乗り物は、客が密接しないように対策できるものだけを運転し、運転が終わるごとに座席や手すりを消毒しています。

休園期間中にお披露目される予定だった遊具の運転も15日に始まり、園内では家族連れなどが久しぶりの遊園地を楽しんでいました。

2人の子どもを連れて訪れた下野市の男性は「ひと月ほど、ほとんど家にいて、子どももストレスをためていたので楽しんでいるようでよかった」と話していました。

とちのきファミリーランドの宇賀神哲也所長は「営業再開できてうれしく思います。お客様が安心して楽しめるよう感染防止対策を、しっかりとっていきたい」と話していました。

鳥取 「客戻るか不安…」観光施設が再開

鳥取県米子市の菓子メーカーが運営する観光施設「お菓子の壽城(ことぶきじょう)」は、県外からの観光客を中心に年間75万人が訪れます。

緊急事態宣言が全国に拡大された後から臨時休業を続けていましたが、解除されたことを受け、15日、およそ1か月ぶりに営業を再開しました。

再開にあたっては、土産物の試食コーナーを撤去したほか、主力商品の「とち餅」をその場で作ってふるまう催しを中止するなど、感染防止の対策を講じています。

ただ当面は県をまたぐ不要不急の移動は自粛するよう呼びかけられていることから厳しい状況が続くとみていて、施設では、秋の行楽シーズンには感染が収束し観光客が戻ってくることを期待しています。

この施設の吉田治人マネージャーは「まずは営業してみないと状況がみえてこないので、再開を決めました。観光客が戻ってくるか不安ではありますが、訪れた人の安心、安全を最優先に営業したいです」と話していました。

富士山 ことしは山梨県側から登れず

ことし、山梨県側から富士山に登れないことになりました。新型コロナウイルスの影響で富士山の山小屋が休業することなどを受けて、山梨県は山梨県側の登山道などを通行止めにすることを決めました。

通行止めになるのは、山梨県側の吉田ルートの登山道と下山道のほか、登山道につながる4つの林道です。

県によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、先月、山梨県側の登山道にある16の山小屋が今シーズン、すべて休業することを決めたことなどを受けて、登山者の安全確保ができないことなどから、通行止めを決めたということです。

登山道と下山道が通行止めになるのは、ことし7月1日から9月10日までの夏山シーズンすべてで、それ以降は冬季閉鎖になります。

また登山道へのアクセスを制限するため、登山道につながる4つの林道についても、16日から冬季閉鎖前のことし12月9日まで通行止めにするため、山梨県側からことしは富士山に登れないことになりました。

県によりますと、記録が残る昭和63年以降、富士山の登山道などを夏山シーズンすべてで通行止めにするのは初めてだということで、新型コロナウイルスによる観光業などへの影響はさらに広がりそうです。

東京 神田明神の例大祭 ネットでライブ配信

東京 千代田区にある神田明神の例大祭には毎年、およそ500人の氏子などが参列しますが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、参加者をおよそ10人に絞る代わりに神事の様子が見られるよう動画投稿サイトでライブ配信しました。

例大祭では、色鮮やかな装束を身につけた神職と、氏子総代が列をつくって社殿に入り、国の重要無形民俗文化財に指定された「江戸の里神楽」の舞が奉納されました。

さらに宮司が祝詞(のりと)を読み上げて、日本の平和や繁栄とともに、新型コロナウイルスが1日も早く終息するよう祈願しました。

配信された動画では、神職が一つ一つの儀式の歴史や意味などを解説していました。
新型コロナウイルスの影響で、ことしは多くの神社が例大祭の規模を縮小していますが、神事をインターネットで配信するのは全国的にも珍しいということです。

神田明神の清水祥彦宮司は「新型コロナウイルスがおさまるようインターネットを通してひとりでも多くの人に祈りを共にしてもらいたい」と話していました。