10万円“困家庭などへ
寄付検討を”専用サイト開設

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策として一律に給付される現金10万円の使いみちの一つとして、貧困に苦しむ人たちへの寄付を検討してもらおうと、およそ20の支援団体の受け付け先などを案内する専用のサイトが開設されました。

7日は、サイトの開設に合わせて、呼びかけ人でタレントの小島慶子さんや社会貢献の活動をしている団体の代表らがインターネット上で記者会見しました。

このなかで小島さんは「今回の給付金を困っている女性や子どもに、あなたの思いを力に変えて寄付してください」と呼びかけました。

「ひとりじゃないよプロジェクト」と名付けられたこのサイトには、貧困に苦しむひとり親家庭や子ども、ホームレスの人たちなどの支援に取り組むおよそ20の団体が紹介され、寄付を呼びかけています。

サイトでは、それぞれの団体の活動内容や寄付先の口座などを知ることができます。

参加した団体の一つ、「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」はひとり親家庭を支援するNPOです。

この団体が先月行ったアンケート調査では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「収入が減る」と答えた人が48.6%、「収入がなくなる」と答えた人が5.8%と合わせて半数を超え、非正規雇用で働く人の多いひとり親家庭の厳しい状況を示しています。

団体には連日、母親などから助けを求める相談が相次いでいて、なかには「自分は一日一食におさえて子どもに食材を回している」とか、「食べるものも底をつき、空腹を水でしのいでいる」「河川敷で雑草をとって食べるなど生活がきつい」といった悲痛な声が寄せられているということです。

団体では、生活の苦しい家庭に米などの食料を送っていて、その件数は先月だけで1000件を超え、去年の1か月当たりの平均の140件を大きく上回ったということです。

団体の赤石千衣子理事長は「ひとり親家庭の50%近くは貯蓄がゼロだと言われており、1か月収入がなければ困窮してしまう。日本で、同じ国で暮らしていても、食事にも困っている親子がいるので、助けてください」と話しています。

今回開設されたサイトには、今後もほかの支援団体の情報が追加されていく予定で、サイトの主催者は「寄付先を見つけるだけでなく、各団体の情報を見て新型コロナウイルスの感染拡大で貧困が広がっている現状を知ってほしい」としています。