自中東派遣部隊
隊員交代調整つかず

中東地域に派遣されている海上自衛隊の哨戒機の部隊について、防衛省は、新型コロナウイルスによる入国制限の影響で現地への交代要員の派遣の調整がついていないことから、先に機体だけを交代させる対応をとることになりました。

海上自衛隊のP3C哨戒機の部隊は、アフリカ東部のジブチを拠点に、ソマリア沖のアデン湾でおよそ3か月交代で海賊対策にあたっていて、ことし1月に派遣された部隊が交代の時期を迎えています。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ジブチ政府が海外からの入国を厳しく制限していることから、現地への交代要員の派遣について現時点で調整がついていないということです。

ただ、現地に派遣している哨戒機は、安全上の規定で来月上旬に日本で定期的な整備をする必要があることから、防衛省は、先に機体だけを交代させる対応をとることになりました。

防衛省によりますと、交代する機体は今月24日に青森県の八戸航空基地を出発する予定で、パイロットについては特別に一時的な入国の許可を得ているということです。

現地では当面、いま派遣されている隊員が活動を続けますが、防衛省は、派遣の長期化による隊員の心身への影響などを考慮して、引き続きジブチ政府と交代要員の派遣について調整するとしています。

海賊対策にあたる部隊は、ことしから日本に関係する船の安全確保に必要な情報収集も任務に加わっています。

河野防衛相「交代の隊員の派遣 調整進める」

河野防衛大臣は記者会見で、「ジブチ政府も、感染者がかなり急速に増えていることもあり、いろいろと心配している。哨戒機の整備期限が迫っているので、機体の入れ替えを先にやりたい」と述べました。

そのうえで、河野大臣は、「『オペレーションに特に影響は無い』と報告を受けているが、隊員の派遣を無期限に続けられるものではないので、ジブチ政府と、交代する隊員の派遣についても調整を進めていきたい」と述べました。