輪・パラ延期なら…
いつ開催? 費用面で課題も

政府は、東京オリンピック・パラリンピックが予定どおり開催できない場合でも、中止は選択肢にないとして、あくまで延期を想定して今後の対応を進める方針です。ことし夏に予定されていた大会を延期する場合、いつ開催するのかが、最大の課題となります。

政府内では、「年内は、感染の終息が見通せず、選手の選考に影響が出るため、開催は難しい」という指摘や、ほかの大型スポーツイベントの日程なども勘案し、「1年後の夏や2年後の夏が考えられるのではないか」という意見が出ています。

また、延期に伴う費用負担の在り方も大きな課題です。政府は、招致が決まった平成25年度から令和2年度までに直接負担する経費は、総額で2777億円になるとまとめています。

延期した場合は、政府が負担することになっている選手の育成など、強化関連の経費や警備のための費用などに関して、追加負担が生じる可能性があります。

また、新しい国立競技場をはじめとする競技会場の運営費や管理のための人件費、すでに競技団体の予約が入っている会場のキャンセル料などを、どの組織が負担するのかという課題もあります。

一方、政府は、大会に参加する国や地域との交流事業に取り組む全国の自治体をホストタウンとして登録して機運の醸成を図っていますが、交流が停滞することも懸念されます。

さらに、交通機関の混雑緩和のため、法律を改正し、ことしに限って、オリンピックの開会式前日の7月23日に「海の日」を、開会式当日の24日に「体育の日」を、そして、閉会式翌日の8月10日に「山の日」を、それぞれ移動させ、休日にしていますが、延期の場合でもそのまま休日となる見通しで、改めて設定する場合は、再度、法整備が必要となります。