園調布浸水 原因は
10時間ポンプ動かせず

台風19号の影響で多摩川の支流があふれ、住宅などへの浸水被害が相次いだ大田区では台風が接近していた12日の午後7時からおよそ10時間にわたって、すべての排水ポンプが動かせなくなっていたことがわかりました。大田区は「避難指示が出て現場の職員を避難させざるをえなかった」と説明しています。

台風19号の影響で東京・大田区では多摩川の支流、丸子川から水があふれ、田園調布4丁目と5丁目付近で床上や床下の浸水被害がおよそ590件で確認されました。

大田区によりますと、台風の接近に伴って12日の午後5時ごろから非常用の排水ポンプとポンプ車などを使って排水作業を始め、午後6時ごろには多摩川からの逆流を防ぐために水門を閉じました。

ところが、午後7時に台風接近に伴って大田区に避難指示がだされたことから、現場から職員を避難させたため、すべての排水ポンプが動かせなくなったということです。

その後、13日の午前5時ごろに水門を開けて排水作業を再開しましたが、10時間にわたって排水ができなかった間に、住宅地に大量の水が流れ込んでいました。

今回の件について大田区は「職員は区民の安全を第一に排水活動にあたっていたが避難指示がでたので安全確保のため避難させざるを得なかった。区としてはぎりぎりの対応を行った。今後は施設管理者である東京都下水道局や関係機関と継続的な排水活動ができるよう協議したい」と話しています。

およそ10時間にわたって排水ポンプが動かせなくなっていたことについて、大田区・田園調布5丁目に住む67歳の女性は、「作業を行う職員の人命もあるので、避難することはしかたないことだと思います。ただ、このあたりの住人は水門が閉まると丸子川があふれることはわかっています。だからこそ、水門を閉めるなら早く情報提供してもらいたかったです」と話していました。