方領土墓参 空路で
国後、択捉島へ 負担軽減

北方領土で墓参するため、元島民らが10日午前、北海道の中標津空港をチャーター機で出発し、国後島と択捉島に到着しました。

航空機を利用した北方領土への墓参は、高齢化した元島民の負担を減らそうと、おととし4月の日ロ首脳会談で合意され、今回が3回目となります。

出発に先立ち、訪問団の団長を務める国後島出身の大塚小彌太さんは「北方四島に眠る肉親のご冥福をお祈りするせっかくの機会なので、心ゆくまで、その思いを遂げてまいりたい」とあいさつしました。

そして、北方領土の元島民や政府関係者など67人は、ロシアの航空会社のチャーター機で、午前8時半前に中標津空港を出発しました。

訪問団は2つのグループに分かれて、国後島と択捉島でそれぞれ墓参りを行うことにしていて、昼すぎまでに、国後島と択捉島にそれぞれ到着しました。

外務省によりますと、航空機を利用することで、最も遠い択捉島へ行く場合、従来の船による墓参と比べ、移動時間が5分の1程度に抑えられるということです。

政府は、元島民の切実な思いを受け止めつつ、こうした日ロ両国の協力事業を着実に進めることで、北方領土問題を含む平和条約交渉の進展につなげたい考えです。

一行は現地に1泊し、11日昼に中標津空港に戻る予定です。