続制度 大きく変更
高齢化に伴うトラブル防止へ

高齢化の進展に伴う相続のトラブルなどを防ごうと、今月(7月)から相続の制度が大きく変わりました。

このうち、残された配偶者などの生活を守るための「特別寄与」の制度は、介護などを続けた親族が相続人に金銭を請求できるというものです。

例えば、妻が夫を亡くしたあとも義理の親の介護をして、その後、親が亡くなっても妻は法定相続人ではないため、これまでは金銭の請求はできませんでした。

今月からは、相続人にあたる夫の兄弟などに対し、「特別寄与料」として金銭を請求できるようになりました。金額は、原則として当事者どうしで話し合うことになります。

また、亡くなった人の預貯金をめぐる制度も始まりました。亡くなった人の預貯金は遺言がない場合、遺産分割の対象となるため、分割の協議が終わるまでは原則、引き出すことができませんでした。

このため、預貯金があっても葬儀の費用などに使えず、遺族が困るケースがありました。

今月からは、遺産分割の前でも1つの金融機関につき150万円を上限に、預貯金の法定相続分の3分の1にあたる金額を口座から引き出せるようになりました。

およそ40年ぶりに大幅に見直された相続制度は、今後も変更されることになっていて、法務省はホームページなどで制度の内容を確認するよう呼びかけています。