閣府監察室 公文書調査
重要文書を1年未満で廃棄も

財務省による決裁文書の改ざんなどを受けて内閣府に新設された公文書監察室が、各府省庁を対象に公文書が適切に取り扱われているか調査したところ、1年以上の保存が必要な比較的重要な文書について1年未満で廃棄できると分類していたケースがあったことが分かりました。

財務省による決裁文書の改ざんなどを受けて新設された内閣府の公文書監察室は、去年からことしにかけて、各府省庁で公文書が適切に取り扱われているか調査を行い、23日開かれた政府の公文書管理委員会の会合で結果を報告しました。

それによりますと、政府のガイドラインでは、日常的な連絡でも政策決定の検証に必要な場合は「1年以上の保存」としているにもかかわらず、政策の説明を求める国会議員からの依頼文など比較的重要な文書を「1年未満で廃棄できる」と分類していたケースがありました。

また、国家戦略特区での獣医学部の新設をめぐり、省庁間の調整記録が残されていなかったことから、ガイドラインでは政策立案に影響する打ち合わせは出席者の確認を得て記録を作るとしていますが、複数の省庁では確認済みかどうか文書に記載していませんでした。

内閣府は、調査結果を踏まえ、各府省庁にガイドラインに沿った対応の徹底を求めるとともに、今年度は地方にある国の出先機関でも調査を行うことにしています。