の政治団体が集めた
政治資金160億円超

東京都の政治資金収支報告書が公表され、去年1年間の政治団体の収入は、合わせて160億8800万円で、前の年と比べて2割近く増えました。都の選挙管理委員会は、去年は大きな選挙が相次いで資金集めが活発化したことが背景にあると分析しています。

東京都選挙管理委員会が21日公表した政治資金収支報告書によりますと、都内にある政党の支部など3882の政治団体が去年1年間に集めた政治資金は160億8800万円で、前の年と比べて18%多くなり、2年ぶりの増加となりました。

これについて都の選挙管理委員会は、去年は都議会議員選挙や衆議院選挙といった大きな選挙が相次ぎ、資金集めが活発化したことが背景にあると分析していて、160億円を超えるのは同じように都議会議員選挙と衆議院選挙が実施された平成21年以来、8年ぶりです。

収入の内訳では、個人や政治団体などからの「寄付」が69億9100万円で最も多く全体の43.5%を占め、次いで「政党本部や支部からの交付金」が52億6200万円、パーティーや機関誌などの「事業収入」が18億1500万円などとなっています。

このうち、パーティーの収入は前の年より8900万円減少して11億6800万円でしたが、これは衆議院選挙の実施に伴ってパーティーの中止や延期が相次いだことが主な要因です。

一方、支出は164億6000万円で、前の年と比べて22.6%増加し、相次いだ選挙の影響で「選挙関係費」は前の年の4.7倍にあたる9億6600万円に上りました。

識者「都議選と衆院選で金の動き活発」

政治資金に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授は、「去年は都議会議員選挙と衆議院選挙があり、お金の動きが非常に活発になったことが読み取れる。新党の立ち上げなど新しい動きもあったので、そのための資金がどうしても必要になり、収入が非常に増えたと言える」と話しています。

希望の塾 7000万円の詳細な使途不明

東京都の小池知事が塾長を務めて、去年の都議会議員選挙を前に注目を集めた政治塾「希望の塾」の収支も明らかになりました。

「希望の塾」は東京都の小池知事を塾長としておととし開講し、受講料が最大5万円でおよそ4000人が参加して去年の都議会議員選挙を前に大きな注目を集めましたが、ことし3月を最後に開かれていません。

都民ファーストの会の政治資金収支報告書によりますと、「希望の塾」はおととしと去年の2年間で、受講料として合わせて1億7800万円余りを集めました。

また「希望の塾」に関連するおととしと去年の支出は、運営を担った広告会社2社に去年支払ったおよそ9000万円を含めて1億1000万円余りとなりました。

一方、これまでに集めた受講料から塾の事業費を差し引いた7000万円近くについては詳細な使いみちが明らかになっていません。

NHKの取材に対して都民ファーストの会は「会の活動の収支報告は政治資金収支報告書をもって行っている。塾に関してはことし以降も支出があるので、ことしの分の報告書も合わせて確認してほしい」とコメントしています。

これについて政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「人気のある政治家が政治塾を開催するとたくさんの人が集まり、それに伴って多くのお金が集まる。塾の受講料を政治活動に使ったとしても法律上の問題はないが、受講者には使用目的などの十分な説明が必要だ」と指摘しています。