自民単独で絶対安定多数
維新は第3党に躍進
れいわ比例で3議席獲得

衆議院選挙は小選挙区と比例代表を合わせた465議席の配分が決まりました。
自民党は選挙前の276議席から減らしたものの、単独で国会を安定的に運営するためのいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。
立憲民主党は選挙前を下回り100議席を割り込みました。
一方、日本維新の会は選挙前の4倍近い議席を獲得し第3党に躍進しました。

議院選挙は小選挙区と比例代表をあわせた465議席の配分が決まりました。

▽自民党は追加公認した2人を含め、小選挙区で189議席、比例代表で72議席の合わせて261議席を獲得しました。

▽立憲民主党は小選挙区で57議席、比例代表で39議席の合わせて96議席。

▽公明党は小選挙区で9議席、比例代表で23議席の合わせて32議席を獲得しました。

▽共産党は小選挙区で1議席、比例代表で9議席の合わせて10議席。

▽日本維新の会は小選挙区で16議席、比例代表で25議席の合わせて41議席。

▽国民民主党は小選挙区で6議席、比例代表で5議席の合わせて11議席を獲得しました。

▽れいわ新選組は比例代表で3議席。

▽社民党は小選挙区で1議席を獲得し、

▽無所属は小選挙区で10人が当選しました。

衆院選 推定投票率は55.93%前後に

NHKのまとめによりますと、今回の衆議院選挙の推定投票率は期日前投票を行った2058万4847人の分も含めて、全国で55.93%前後になる見込みです。

前回・平成29年の衆議院選挙の最終投票率は戦後2番目に低い53.68%でした。

選挙前議席との比較は

これによって、自民党は選挙前の276議席から減らしたものの、衆議院の17の常任委員会すべてで委員長を出したうえで、過半数の委員を確保できるいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。

また、公明党は選挙前から3議席増やしました。

一方、野党第1党の立憲民主党は選挙前の109議席を下回り100議席を割り込みました。

立憲民主党と候補者の一本化を進めた共産党は、選挙前から2議席減らしました。

日本維新の会は選挙前の4倍近い議席を確保し、自民党、立憲民主党に次ぐ第3党に躍進しました。

国民民主党は選挙前から3議席増やし、れいわ新選組は2議席増やしました。

社民党は比例代表で議席が得られなかったのは初めてです。

比例代表 各党の獲得議席数

定員176の比例代表で、各党が獲得した議席数は次の通りです。

▽自民党は前回4年前の選挙の66議席を上回る72議席を獲得しました。

▽立憲民主党は39議席を獲得しました。

▽公明党は前回より2議席多い23議席を獲得しました。

▽共産党は前回から2議席少ない9議席を獲得しました。

▽日本維新の会は近畿ブロックで自民党よりも多い10議席を獲得するなど、前回の3倍を超える25議席を獲得しました。

▽国民民主党は5議席を獲得しました。

▽れいわ新選組は3議席を獲得しました。

れいわの名簿削除で1議席公明が獲得

れいわ新選組は、東海ブロックでも1議席を確保できる票を得ましたが、比例名簿に登載された2人の候補者が、いずれも重複立候補した小選挙区で有効投票の10%を得票できなかったことから、名簿から削除され、本来、得るはずだった1議席は公明党が獲得しました。

▽社民党と、▽「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は、いずれも比例代表で議席を獲得できませんでした。

衆院選 自民 無所属で立候補 柿沢氏と田野瀬氏の2人を追加公認

自民党は、今回の衆議院選挙に無所属で立候補して当選した2人について、31日付けで追加公認したと発表しました。

追加公認されたのは、▽東京15区の柿沢未途氏、▽奈良3区の田野瀬太道氏です。

岸田首相「政権選択選挙で信任を頂いた」

岸田総理大臣は午前0時半すぎに、自民党本部を出る際、記者団に対し「与党で過半数をとり、政権選択選挙で信任を頂いたことは大変ありがたかったと思う。加えて、自民党の単独過半数も国民にお認めいただいた。ぜひ、そうした結果を踏まえて、これからしっかり政権運営、国会運営を行っていきたい」と述べました。

公明 山口代表「経済対策 いち早く合意作り実施したい」

公明党の山口代表は午前0時ごろから党本部で記者会見し「新型コロナの不安が色濃く残る中での選挙戦であり、克服の具体策を訴えることによって、有権者の納得や理解につながった。自民・公明両党の議席が過半数を超えたことを基盤にして、経済対策について、いち早く合意を作り、補正予算に反映をさせて実施に移したい」と述べました。

一方、自民党の甘利幹事長が、小選挙区の神奈川13区で議席を確保できなかったことについて「残念な結果で、本当に悔しい思いだ。今後については、自民党の対応を見守りたい」と述べました。

維新 松井代表「議員の身分保障についてさっそく法案提出する」

日本維新の会の松井代表は大阪市内で記者会見し「皆さんから貴重な負託をいただいた。国会でも裏切ることなく、実績を積み上げるべくきょうからがスタートだと思う。心して活動していただきたい」と述べました。また「単独で法律を出せる力をいただいたので約束通り、政治家だけが優遇される議員の身分保障についてさっそく法案を提出し、これを実現すべく死力を尽くしていきたい」と述べました。

さらに「われわれは改革、成長の分配を前面に押し出して戦った。結果は自公で議席の過半数ということで岸田内閣への支持が高かったということだと思うが、やはり、日本に構造改革が必要だという訴えに一定数の賛同をいただいたことがわれわれの議席増につながったと思う」と述べました。

立民 枝野代表「足腰鍛えないと政権にたどり着くことできない」

立憲民主党の枝野代表は、午前0時前の記者会見で、自民党が単独で衆議院の過半数にあたる議席の獲得が確実な情勢となったことについて「われわれは空中戦で一定の支持を広げたと思うが、自民党は1票1票積み重ねる足腰が強い。ここを鍛えないと政権にたどり着くことはできないと改めて痛感している」と述べました。

また、立憲民主党の平野・選挙対策委員長や、小沢一郎氏が小選挙区での議席を獲得できなかったことについては「平野氏は、党全体のために候補者の擁立や調整に大変汗をかいてもらっていた。また、小沢氏も重鎮として党運営に協力してもらっていただけに、大変残念だ」と述べました。

そのうえで、後任の選挙対策委員長を含めた党人事について、枝野氏は「すべて結果が出てから、落ち着いていろいろなことを考えたい」と述べました。

共産 志位委員長「野党共闘の道進む決意 変わりない」

共産党の志位委員長は午前0時ごろ、党本部で記者会見し「自民党の甘利幹事長が小選挙区で落選したのは、野党共闘の成果だ。自民党が過半数割れに至らなかったのは残念だが、チャレンジを続けようと考えている。揺るがずに野党共闘の道を進む決意に変わりはなく、これしか日本の政治を変える道はない。今回の野党の共通政策と政権合意を土台に次の参議院選挙を戦いたい」と述べました。

国民 玉木代表 “野党連携 見直すところは見直すこと重要”

国民民主党の玉木代表は午前0時ごろ、東京都内で記者会見し、立憲民主党などとの野党連携について「政策や理念を曲げずに筋を通して訴えていくことも勝利にとっては重要ではないか。今回の選挙で示された民意をすべての野党が分析して、見直すところは見直していくことが重要だ」と述べました。

れ新 山本代表「今回の野党共闘で政権交代できず 非常に痛い」

れいわ新選組の山本代表は、午前0時半ごろに東京都内で記者会見し「どれくらい議席を獲得できるかは、全くわからない。開票が終わるのを朝まで待ったうえでコメントする場を設けたい」と述べました。

また「今回の野党共闘で政権交代ができなかったのは非常に痛い。今後は消費税を5%に引き下げるという今の条件のままで前進することは無理で、さらに野心的でなければならない。一致するならば他党と一緒に、そうでない場合は自分たちでやる」と述べました。

社民 福島党首「政治を大きく変えられなかった とても残念」

社民党の福島党首は31日午後11時半ごろ、党本部で記者会見し「政治を大きく変えられなかったことはとても残念だが、沖縄2区で社民党の公認候補の議席が取れた。これは普天間基地のある場所での議席で、平和の1議席だ。沖縄の問題について、一緒に果敢に取り組んでいきたい。さらに比例の九州ブロックなどで当選者が出るよう、心から期待している」と述べました。