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「ダイヤル回す手」が震えた思い出

「ダイヤル」ってありましたよね。つまんだり、指を入れて回す、あのダイヤルです。昔はラジオのダイヤルをクルクルと、テレビのダイヤルをガチャガチャと回して、チャンネルを合わせていました。洗濯機だってダイヤルで洗濯や脱水の時間を設定したものでした。そうそう、身近なものとしてはやはり電話。ダイヤルをジーコジーコと回していました。「0」をダイヤルしたときの「もどかしい間」がありましたよね。

戦後70年におけるダイヤル電話器のターニングポイントは、1950年(昭和25年)。従来の電話機と比べ、性能、デザインともに「世界の水準をしのぐ」とも言われた「4号自動式卓上電話機」が誕生します。その正式名称を知らずとも「黒電話」と聞けばピンとくるはず。そして1962年(昭和37年)、黒電話の完成形と呼ばれる「600型自動式卓上電話機」が登場。多くの家庭で使われる電話機として普及しました。

指のふるえをおさえつつ ぼくはダイヤルまわしたよ
君のテレフォン・ナンバー6700(シックス セブン オー オー)
ハロー

押しボタン式、通称「プッシュホン」の電話機が登場したのは1969年(昭和44年)でしたが、1973年(昭和48年)の大ヒット曲、フィンガー5の「恋のダイヤル6700」に歌われたり、1985年(昭和60年)にドラマ主題歌としてヒットした、小林明子さんの「恋におちて -Fall in love-」でも「ダイヤル回して 手を止めた」という歌詞がありました。1970年代〜1980年代もまだまだ、電話のダイヤルを回す仕草は現役だったことがうかがえますね。

電源不要で何時間も連続通話できる黒電話に脚光が?

2014年(平成26年) 東北歴史博物館の特別展「家電の時代」で黒電話を実演する母親 写真:共同通信社

2014年(平成26年) 東北歴史博物館の特別展「家電の時代」で黒電話を実演する母親 写真:共同通信社

さて、そんな昔懐かしのダイヤルですが、最近は電話もボタン。洗濯機もボタン。テレビもラジオもボタン。そもそも、スマホの画面で操作するから「アイコン」であってボタンですらない、という状況です。今も残るダイヤルはなんだろう? と考えてみたら……。「フリーダイヤル」「ねんきんダイヤル」「災害用伝言ダイヤル」といったような電話に関連するものがほとんど。「ダイヤル」すなわち「電話をかける」というイメージは、ダイヤルがなくなった今も、健在のようですね。

そして、ダイヤル式の黒電話はいまだに現役で使えるうえに、最近は見直す向きもあるのだそうです。その最大の理由はダイヤル式の電話にコンセントは不要。つまり、停電が起きても話せるんです。電源や電池がなくても、電話線からの電力で通話できるため、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災や、2011年(平成23年)の東日本大震災では、地震の直後でも黒電話が使えて、連絡をできたという声も聞かれました。

スマホの性能表でよく見る「連続通話可能時間○○分」なんて、黒電話センパイから見たら、「なんて使いづらい電話なんだろう」って鼻で笑われちゃうかもしれませんね。まぁ、そんなこと言ったら黒電話センパイは玄関から動けないわけですが……。