何度見ても「すごいっ!」~走り高跳びと走り幅跳び~

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「障害があるのにすごい!」初めてパラスポーツを観戦した人からこのような感想をよく聞きます。

僕自身もパラスポーツに出会った最初の頃は、どの競技を見ても、そう感じていました。
それから取材を続けて、知り得る情報量が増えていくにつれ、障害のことよりも競技性の面白さに注目するようになっていきました。

でも、今でも、何度見ても「すごい!」と感じる種目が2つあります。
一つ目は、走り高跳び(T42クラス=片側の大腿切断で競技に義足を使用しない)
二つ目は、走り幅跳び(T61クラス=両側の大腿切断で義足を使用する)です。

2月末のドバイで開催されたパラ陸上の国際大会で、そう感じた瞬間をそれぞれご紹介します。


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走り高跳びに出場した、エジプトのハマダ・ハサン選手。
スタートラインまで歩き、杖をそっと地面に置く。
そしてバーを見ながら息を整える。


20190304_ochi_03.jpg片足だけで、地面を力強く蹴りあげ、ケンケンしながら、助走する。


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ジャンプの瞬間、上腕部にぐっと力を入れる。
そして、膝をぐっと曲げて、ベリーロールでするっとバーを越えた。
記録は、成人男性身長ほどの、1メートル72センチでした。



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走り幅跳びに出場したオーストラリアのバネッサ・ローウ選手。
バネッサは両脚共に膝がついた義足を使用して跳躍します。
体幹のバランスが良く、まるで義足に感覚があるのではなかろうかというような動きです。


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記録は、5メートル05センチの世界新記録。
ここまでの選手になると義足に血が通っていると思えてくるぐらい身体と義足の一体感がすごい!

誤解を恐れずにいうなら、アスリートの彼らは「障害がある部分も含めてカッコいい」
障害という言葉が持つネガティブなイメージが、一瞬で一気にひっくり返されるような強烈なパフォーマンスだ。



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著者:写真家 越智貴雄(おち・たかお)
1979年、大阪生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。2000年のシドニーパラリンピックから国内外のパラスポーツの撮影取材活動を続けている。2004年パラリンピックスポーツ専門ウェブサイト「カンパラプレス」を設立。2012年パラリンピック義足アスリートの競技資金集めの為にカレンダーを1万部出版し国内外で話題となる。2013年9月のブエノスアイレスでの2020東京オリンピック・パラリンピック招致最終プレゼンテーションで佐藤真海さんのスピーチ時に映し出された「跳躍の写真」が話題になる。2014年義足で前向きに輝く女性を撮影した写真集「切断ヴィーナス」を出版。撮影取材の他にも写真展や義足女性によるファッションショーなどを多数開催している。

越智貴雄さんへのインタビューはこちら
Road to Rio特別編 ~パラリンピック、かかわる人々。Vol.5 写真家・越智貴雄さん~