りんご飴をかじったら
モモコはチョコレートをかじった
さすが漫才コンビ
好みはバラバラ…
りんご飴をかじったら
どんな味がするんやろ
歯が痛くなるほど甘いんやろか、それとも酸っぱいんやろか
この年になってまだ思っている
食べたことないの
りんご飴をかじったら
口の中いっぱいに広がる甘酸っぱい味、自分が世界で一番幸せであるかのように
時間よとまれ、どうかこのまま
無くなる頃には切なくなったあの頃
今かじると、どんな気持ちになるのだろう
りんご飴をかじったら
遠い昔の夜店が見えた
ゆかたの模様も
黄色の帯も
忘れられない故里見えた
りんご飴をかじったら
孫の手のぬくもりが染み込んでいる
一緒にお祭りに行けなかった私に
「お土産だよ」と渡してくれた
小さな手のぬくもりが・・・
りんご飴をかじったら
化粧っけのない唇に紅がさした。
りんご飴を手に持つ、男も女も子供もみんな
唇に紅をさして、笑っている。
りんご飴をかじったら
下駄の響きがよみがえる
カラン… コロン…
一定のリズムを刻むあなたの足音に
私の鼓動が重なった、あの日
りんご飴をかじったら
彼女も美味しそうにかじっていた。
彼女が恥ずかしそうに言った。
「ねえ、わたしのはがた見たい? は、が、た。」
お互いのはがたをこっそり見せっこしたあの日。
遠い思い出、青春の夏祭り。
りんご飴をかじったら
飴がとろけてりんごが出てきた
その赤いりんごに唇寄せてる君
あぁ、君はとろけさせるのが本当に上手だ
りんごみたいにハート型で赤い、僕の心も
りんご飴をかじったら
リンゴはあまりおいしくないと気付く。
飴のところだけ食べて
子供たちは走って祭りへと戻っていく。
彼らが知る幼い恋もきっと、こんな風だ。
りんご飴をかじったら
あぁ、こんな小さいままでもがれてしまってー。
もっと大きくなりたかっただろうに。
いいえ。私はこれで一人前なんですよ
甘ずっぱいなかから、そんな声が聞こえた。
りんご飴をかじったら
幼い息子が欲しいと言うので
食べ掛けをやると
バナナあめはなぜないのかと聞いて来る
そんなこと、オレは知らん