雄大な景色を望むなかで

 12月中旬、冷たい空気が漂う長野市。

女子の有力校、長野東は市内の河川敷に整備されたコースで練習していました。周囲には、白く雪をかぶった山々。この日の朝は天候が悪く、雪の予報でしたが、日中は、きれいな青空も広がり、雄大な景色を望むことができました。

 目標は３位以内

長野東は、16年連続16回目の都大路で、2018年と2019年に2位の経験がある強豪校です。

去年は、1、2年生だけで7位入賞をつかみ取りました。そのメンバーが残ることしは、3位以内を目標にしています。

３年間の思いをぶつける都大路 

 エースは、3年生の村岡美玖選手です。

全国では、各校のエースが集まる1区を1年生の時から走ってきました。6キロの最長区間、しかも、最後は急な坂がある難コース。そこを力強い走りで区間5位、3位と上位でフィニッシュし、下級生の時から注目を集める選手となりました。

(中央：村岡選手)

ただ、この1年は思うような走りができず、高校総体や国体の全国大会では、上位の結果を残せませんでした。横打史雄監督は、「最上級生になって、責任感から入れ込み過ぎていた。ただ、エースが村岡なのは間違いない。ここ最近は調子が上がっています」と期待を寄せます。
村岡選手は「去年は区間賞がとれなくて悔しかった。絶対に区間賞を取ってチームに勢いをつけたい」と、3年間の思いを最後の高校駅伝にぶつける決意です。

力をつけてきた２年生

 さらに、横内監督が成長を感じている選手がいます。去年も都大路を走った2年生の名和夏乃子選手です。

チームとして、上り坂での走りを強化してきた中で、みるみる力をつけてきました。ことしの駅伝では、1区を経験するなど主要区間を任せられ、京都の難しいコースでも「上りも下りも対応できる。自分の走りができる」と自信を持っています。

（左：名和選手）

 地元の応援も力にして

 レベルアップをしてきたチームを見守ってきたのが、地元の人たちです。練習や大会への応援だけでなく、選手が走るコースの整備なども行っています。

この日、選手たちが走る姿を写真におさめていたのが、80歳の元村節夫さん。長野東が全国に出場する前から、15年以上にわたって応援してきました。家庭菜園でできた野菜を差し入れるなどしています。「選手たちが熱心に練習する姿、競技に打ち込む姿を見ていると感動する。本当に頭が下がる」と感心しています。撮った写真は選手たちにプレゼントしているそうです。

 選手たちは、早朝や授業後に練習しますが、走っている最中も、すれ違う人たちへの挨拶を欠かしません。こういった姿も、地元の人たちが応援したいと思わせる要因なのかもしれないと感じました。

 取材：清水 敬亮アナウンサー（女子テレビ実況担当）

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