高校駅伝男子

2022年12月19日 (月)

全国高校駅伝 取材記 佐久長聖(長野)~目指せ!日本高校最高記録奪還~

日本高校最高記録の奪還

稜線が美しい浅間山が見下ろす長野県佐久市。標高およそ700mの地で練習を積んでいるのが25年連続出場を果たした佐久長聖高校です。取材に訪れたのは12月2日、厳しい冷え込みのなか、選手たちが元気に練習を行っていました。

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佐久長聖は、過去2回全国優勝を果たしています。

初優勝は2008年、アンカーでフィニッシュテープを切ったのが東京オリンピックの男子マラソンで活躍した大迫傑選手です。優勝タイムは2時間2分18秒、当時の日本高校最高記録(=日本選手のみによる最高記録)での優勝でした。この記録は、10年以上破られず、佐久長聖の選手たちにとって大きな誇りでした。


しかし、おととしの大会で京都の洛南高校が、この記録を11秒塗り替え、さらに去年、再び洛南高校が2時間1分59秒でたすきをつなぎ、記録を更新しました。記録を塗り替えられた時、1年生だった選手たちはことし3年生になって大会に臨みます。悔しさを知る選手たちが目指すのは、日本高校最高記録の奪還です。


衝撃の13分22秒99


11月に行われた記録会。佐久長聖のエース、吉岡大翔選手のタイムに衝撃が走りました。

5000mで13分22秒99。去年、洛南高校の佐藤圭汰選手がつくった高校記録を8秒も上回るタイムをたたき出しました。高校生ランナーにとって、5000mで14分を切るというのが大きな目標とされる中でマークした13分台前半のタイム。しかも、終盤まで実業団の外国人ランナーを引っ張る走りを見せ、タイムも内容も評価されるすばらしい走りでした。 

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全国高校駅伝で、吉岡選手は1年生の時に4区の区間賞、2年生で臨んだ去年は花の1区で区間2位と、大事な舞台でしっかりと結果を残してきました。ことしもチームの目標達成に向けて鍵を握る存在です。
吉岡選手は、ことし6月に開かれた20歳以下の日本選手権の5000mで優勝。指導する佐久長聖の高見澤勝監督は、このレースが飛躍のきっかけになったと考えています。

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【高見澤勝監督】
「吉岡は最後の1000mを2分29秒で走りました。これまで練習でも走ったことがないペースで最後の1000mを走ったことで、本人の中の壁が壊れたのだと思います」

吉岡選手は、その後、8月に20歳以下の世界選手権に出場。外国人選手に揺さぶられながらも粘り強い走りで7位入賞を果たし、初めての国際舞台で大きな自信をつかみました。大きな信頼と期待が寄せられています。

【高見澤勝監督】
「吉岡の持ち味は、柔らかく無駄な力が入らない効率のいい走りが出来るということです。世界を経験し、外国人選手のペース変動にも対応できるようになりました。ここまで大きなけがもなく、冷静に判断して、失敗したレースというのが記憶にありません。将来、世界を見据えて戦って欲しいと思います」

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吉岡選手は、去年と同じ1区か、留学生が多く集まる3区を想定して練習を積んでいます。

【吉岡大翔選手】
「ことしはチームとしてタイムを狙っていくので、自分が走る区間で、最低でもその区間の日本最高記録を更新することが目標です。自分の区間で稼げるだけ秒数を稼ぎたいと思います。3区は、佐久長聖としてまだ区間賞がないので、3区でも勝つ気持ちでいきたいと思います」

 

9年連続5位以内の安定感


駅伝で勝つには、複数の選手が大会当日にピークを合わせなければなりません。その中で、佐久長聖は、9年連続で5位以内に入る安定感を見せています。ことしは、去年の経験者が、吉岡選手も含めて4人います。去年3区を走った3年生の長屋選手、去年1年生ながら都大路を経験した2年生の永原選手や山口選手です。2年生の2人も順調に力をつけ、長距離区間を任せられる存在になりました。吉岡選手を、留学生たちが集まる3区に配置するオーダーも見込めるようになったのです。

さらに、高校総体の1500mで2位に入った3年生の松尾選手や、国体の3000mで2位となった1年生の濵口選手というスピードランナーもいます。こうした選手たちが、しっかりと大会当日にピークを合わせられれば、佐久長聖高校として初の2時間1分台が見えてきます。先輩たちが作った日本高校最高記録の奪還の夢が叶います。

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取材:三瓶宏志アナウンサー(男子ラジオ実況担当)

 

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