高校駅伝男子

2021年12月23日 (木)

【全国高校駅伝】解説者はこう見る!~男子編~

全国高校駅伝の中継で、男子のレースの解説するのが、北京オリンピックで男子マラソンに出場し、広島経済大の陸上部監督、尾方剛さん(テレビ)と高校や大学の駅伝で活躍した揖斐祐治さん(ラジオ)です。ことしのレースの見どころをたっぷりと聞きました。

 尾方剛さん 世羅(広島)の連覇か、それとも・・・


去年の大会は、世羅(広島)が男女そろっての優勝を果たしました。男子は、1区からハイペースのレース展開となり、29分台が21人と非常にハイレベルだったことを記憶しています。男子の見どころですが、世羅(広島)の連覇なるか、あるいは外国人留学生を擁する去年2位の仙台育英(宮城)や倉敷(岡山)、日本高校最高記録(留学生を含まないメンバーでの記録)を去年更新した洛南(京都)、佐久長聖(長野)といった常連校の覇権奪還となるか注目しています。さらに、2時間4分18秒が前回大会の8位の記録ですが、入賞するためには、2時間3分台が必須となるハイレベルな入賞争いにも目が離せません。

ことしは1年遅れとなった東京オリンピック・パラリンピックが無事開催されました。さまざまな問題が解決されず、賛否両論がありましたが、日本での開催でなければ成し遂げることは容易でなかったと推察されます。私も陸上競技の世界トップアスリートが躍動する姿を間近で観戦する機会を得ました。日本勢では、競歩でメダルを獲得した池田向希選手、山西利和選手の活躍が印象に残っていますが、三浦龍司選手、田中希実選手、廣中璃梨佳選手といった若手選手が世界の舞台で戦い、トラック種目での入賞を果たしたように、次世代を担う選手たちがいつの日か彼らと同様、少しでも世界を意識できる今大会となるようにサポートし、解説していきます。

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揖斐祐治さん 上位争いは例年以上に白熱


 去年同様、強豪校が予選などで好成績をおさめています。戦力が整い連覇を狙う世羅(広島)、主力3人が10000m28分台の仙台育英(宮城)、1500mから5000mの高校記録を塗り替えた佐藤圭汰選手を中心にバランスよく選手がそろった洛南(京都)、2年生エースの吉岡大翔選手を擁する経験豊富な佐久長聖(長野)あたりが優勝争いを繰り広げることが予想されます。また、5000mの平均タイムが14分2秒と力のある学法石川(福島)、秋以降に調子をあげてきた倉敷(岡山)、持ちタイム以上の力を発揮してくる九州勢を含め、上位入賞は例年以上に白熱しそうです。ここ数年、8位入賞のラインが2時間4~5分台前後で推移しています。2019年は、記念大会で出場チームが増えたこともあり、2時間2分台に跳ね上がりましたが、ことしは1区から速いレース展開となれば、入賞ラインは3分台後半から4分台前半になりそうです。予選や地区大会の結果から入賞圏内の高校は10校以上あり、激戦が予想されます。

一方で、高校生の一流ランナーの証、5000m13分台の記録を持つ選手が29人と去年より7人増えて過去最多となりました。すべての13分台ランナーがエース区間の1区を走るとは限りませんが、ことしは高校歴代1位の佐藤圭太選手(洛南)、歴代3位山口智規選手(学法石川)、歴代5位吉岡大翔選手(佐久長聖)と13分30秒台の選手たちがどのような走りをするか注目です。また、戦力が整う有力校は近年戦術的に前半区間重視(逃げ切り型)の1区・2区・3区に主力を置くチームと、後半区間重視(追い込み型)の4区・6区に主力を配置するチームにわかれています。以前は3区が終了した時点である程度順位が予測できましたが、後半区間での順位の変動も激しく最後まで目の離せないレースが展開されると思われます。

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