2023年05月15日 (月)
Jリーグ30周年 サポーターが選ぶ関西のレジェンド
サッカーJリーグがきょう5月15日で開幕30周年を迎えました。
1993年に10のクラブでスタートし、関西では、開幕当初から参加するクラブ「オリジナル10」の1つ、ガンバ大阪をはじめ、セレッソ大阪、京都サンガ、ヴィッセル神戸が次々と参入し、この4クラブは今シーズンいずれもJ1で戦っています。ほっと関西のスポーツ班では、リーグ30周年の節目に合わせて、この4クラブのサポーターを直撃取材して「私が選ぶ関西のレジェンド」をあげてもらいました。トップテンはどんな顔ぶれになったのでしょうか?
《現役のトップ選手に、往年の名選手も》
取材は、4月から5月にかけて、スタジアムを訪れるサポーターを対象に行いました。ガンバ、セレッソ、サンガ、ヴィッセルのサポーター、それぞれ30人ずつの合わせて120人に「私が選ぶ関西のレジェンド」をあげてもらいました。男女それぞれ、10代から60代までの幅広い年齢層の声を聞くと、現役選手だけでなく、引退した選手などさまざまな名前があがり、関西のJリーグの歴史を感じさせてくれました。
「私が選ぶ関西のレジェンド」(取材対象)
G大阪・C大阪・京都・神戸のサポーターそれぞれ30人、合計120人を取材。
(男女別)男59% 女41%
(年齢別)10代以下9%、20代25%、30代22%、40代20%
50代15%、60代以上7% ※数値は少数点以下切り捨て
それでは、トップテンを見ていきましょう。
【7位/3票 ※4人が同数】
▼宇佐美貴史選手(G大阪 09年~11年、13年~16年、19年~)
宇佐美選手は京都出身。幼少期から“天才少年”と呼ばれ、ガンバのジュニアユースからプレーする生え抜きのフォワードです。海外でのプレーを経て2019年にガンバに復帰し、今シーズンからはキャプテンとしてチームをけん引しています。
▼宮本恒靖さん(G大阪 95年~06年 神戸 09年~11年)
宮本さんは大阪府富田林市出身。長年在籍したガンバではディフェンダーの中心選手として活躍し、2018年の途中から2021年の途中まで監督も務めました。甘いマスクが特徴で、ツネ様の愛称で親しまれています。現在は、日本サッカー協会の専務理事を務めていて、ガンバを離れた今でも多くのサポーターから愛されています。
▼パク・チソンさん(京都 00年~03年)
イングランドプレミアリーグの強豪、マンチェスター・ユナイテッドや韓国代表としての活躍が印象深いパク・チソン選手が、プロとしてのキャリアをスタートさせたのがサンガでした。2003年元日に行われた天皇杯の決勝で、チームの優勝につながるゴールを決めたシーンが20年たった今でも忘れられないと話すサポーターもいます。
▼柿谷曜一朗選手(C大阪 06年~09年、12年~14年、16年~20年)
柿谷選手はセレッソの下部組織で育ち、17歳3か月でのJ1初ゴールは現在もクラブの最年少記録です。現在はJ2の徳島ヴォルティスでプレーしています。10代での鮮烈なデビューを覚えているサポーターから支持が集まり、再びセレッソでのプレーを望む声も聞かれました。
【5位/5票 ※2人が同数】
▼三浦知良選手(京都 99年~00年 神戸 01年~05年)
サッカーを一躍人気スポーツへと押し上げた立役者であるカズ、三浦知良選手は、関西のでも、サンガとヴィッセルの2つのクラブでプレーしました。このうち、ヴィッセルでは4年間キャプテンも務めました。56歳となった今もポルトガルリーグ2部のクラブで現役を続けています。
▼松井大輔選手(京都 00年~04年)
松井選手は巧みなドリブルテクニックが持ち味のミッドフィルダーで、高校卒業後に地元のサンガに加入し、およそ5シーズン在籍しました。1年目からリーグ戦22試合に出場するなどすぐにチームの中心選手となり、2003年の元日に行われた天皇杯決勝では優勝に貢献しました。日本代表としても2010年のワールドカップ南アフリカ大会に出場しています。現在はJ3のクラブで現役を続けています。
【4位/6票】
▼香川真司選手(C大阪 06年~10年、23年~)
海外の強豪クラブや日本代表でも長く活躍した日本を代表するミッドフィルダーです。セレッソには高校3年生だった2006年に当時スカウトだった小菊昭雄監督に見い出されて加入し、2年目の途中から主力となりました。海外クラブでのプレーを経て今シーズンセレッソに復帰し、中心選手として初優勝を目指すチームを引っ張っています。セレッソ以外のサポーターからも支持を得ました。
【3位/7票】
▼アンドレス・イニエスタ選手(神戸 18年~)
卓越したテクニックとパスセンスを持ち味にスペインリーグの強豪、バルセロナや、スペイン代表で長く活躍したミッドフィルダーで、2018年に下部組織時代を含めて20年以上在籍したバルセロナを退団してヴィッセルに加入して世界中を驚かせました。3年前にはヴィッセルにとって初めてのタイトルとなる天皇杯優勝をもたらしました。プレー面だけでなく、みずからのメソッドを惜しみなく伝えるサッカースクールを神戸や大阪で展開するなど、日本のサッカーを発展させたいという思いを強く持っています。今シーズンが契約の最終シーズンで早ければ夏にも退団する可能性があり去就が注目されています。
【2位/14票】
▼森島寛晃さん(C大阪 91年~08年 ※93年まではヤンマー)。
Jリーグ開幕前の1991年にセレッソの前身、ヤンマーでキャリアをスタートさせました。現役時代は中心選手として活躍、現在はクラブの社長を務めるなど、30年以上セレッソ一筋を貫く“ミスターセレッソ”です。選手時代は、2000年と2005年にいずれも勝てば優勝(2000年はファーストステージ)という状況で迎えた最終戦で敗れて優勝を逃す“長居の悲劇”を経験しました。また、2度のJ2降格の悔しさも味わいました。こうした経験が、引退後もセレッソに関わり続けるモチベーションになっていると話し、後輩たちにJ1優勝の夢を託し裏方としてチームを支え続けています。
【1位/26票】
▼遠藤保仁選手(京都 99年~00年 G大阪 01年~20年)
J1歴代最多の672試合に出場し43歳となった今もJ2のジュビロ磐田で現役を続ける遠藤保仁選手が選ばれました。相手の裏をかいて得点につなげる正確なラストパスや、華麗なフリーキックなど観客を魅了できるプレーが特徴的なミッドフィルダーで、サンガで2年、ガンバでは実に20年近くプレーしました。両クラブのファンから高い支持を集めて全体の4分の1に迫る得票数でした。インタビューでは「関西は故郷、いずれはまた帰ると思う」という関西愛にあふれることばも飛び出しました。まだまだ輝き続けるレジェンドが、今後どんな形でJリーグの発展に貢献するのか引き続き目が離せません。
30周年を迎えた今シーズンは、関西から奈良クラブとFC大阪がJ3に参入し、関西を拠点とするクラブが6つに増えました。今回の取材では、実に46人の名前がサポーターからあげられました。次の30年でもサポーターたちに活力を与える選手が出てくることを期待したいと思います。
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