スポーツ

2023年02月22日 (水)

瀬古さんが語る大阪マラソンの魅力

ことしの大阪マラソンは、来年のパリオリンピックにつながる大会です。日本陸上競技連盟で、マラソンの強化を担う瀬古利彦さんに見どころを聞きました。聞き手は、関西地域向けのニュース情報番組「ほっと関西」のスポーツキャスター森本万里奈さんです。

oosaka1.jpg(森本)「ことしはどんな大会になると予想していますか?」

(瀬古)「パリオリンピックがもう来年なんですよ。目標になる大会があると苦しくても頑張れる。去年以上にみんな気合いが入って、やる気を出して記録に挑戦していくというレースになるんじゃないかな」

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瀬古さんが大きな期待を示した大阪マラソン。オリンピックの代表選考レースなどとして開催されてきた「びわ湖毎日マラソン」と去年統合し、トップ選手が参加する大会に進化しました。ことしは10月に行われる来年のパリオリンピックの代表選考会、MGC=マラソン・グランド・チャンピオンシップの出場権をかけて、大阪市内をめぐる42.195キロで争われます。

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メインストリートの御堂筋や通天閣など、まさに大阪の名所をめぐり、折り返しが多いのもコースの特徴です。オリンピックの代表争いを占う男子のレースには、およそ200人が出場する予定です。おととしの東京オリンピックの代表、服部勇馬選手に加え、すでにMGCの出場権を獲得している選手も6人がエントリーしています。

(森本)「最後まで目の離せない上位争いが期待されますが、瀬古さんの注目は?」

(瀬古)「初マラソンの選手たちですね。西山和弥選手、池田耀平選手、菊地駿弥選手の3人です。3人ともスピードがあって勢いに乗ったらいける選手だと思います。初マラソンらしく、初々しく、何も考えないで、去年優勝した星選手みたいに先輩たちの背中を追って、力を借りていけばいいんですよ。失敗したっていいんですよ。怖いもの知らずで走ってほしいですね」

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瀬古さんがあげた3人の選手はこんな選手です。

▼西山和弥選手(24)群馬県出身
 東京農大二高→東洋大→トヨタ自動車
 2018年・2019年 箱根駅伝2年連続1区区間賞 

▼池田耀平選手(24)静岡県出身
 島田高→日体大→Kao
 2021年 箱根駅伝2区3位(日本選手トップ)
 2023年 全日本実業団駅伝4区区間賞
 2023年 大阪ハーフマラソン優勝

▼菊地駿弥選手(24)栃木県出身
 作新学院高→城西大→中国電力
 2020年 全日本大学駅伝2区区間賞
 2023年 全日本実業団選手権男子1万メートル
       日本選手トップ
 2023年 大阪ハーフマラソン2位(池田選手と4秒差)

去年優勝した星岳選手は、初マラソンで日本選手の最高記録となる2時間7分31秒をマークしました。新たなスター候補の誕生を期待しています。

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そのうえで、瀬古さんが、勝負を分けるポイントとしてあげたのが、30キロ地点からの駆け引きです。

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コース図を見ても分かるとおり、大阪マラソンでは30キロ付近に高低差が最大20メートルのアップダウンが待ち構えます。さらにことしは好記録を持つ海外招待選手も参戦し、ペースメーカーも外れるため、各選手が仕掛けるポイントになりそうです。去年は川内優輝選手が飛び出しました。

(瀬古)「30キロでバーンとペースが上がるので、そこにいかに対応して、自分の調子とスタミナと相談しながらうまくレースを展開できる選手が最後まで生き残ると思いますね。みんな苦しくなるところだからこそスパートできれば勝つチャンスになるんです」

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そして、もう1つ、瀬古さんが楽しみにしているのが、一般ランナーの部です。新型コロナウイルスの影響で、2019年の冬以来の開催となります。瀬古さん自身も現役時代、ボストンマラソンやロンドンマラソンなど市民マラソンを経験しました。パリオリンピックを目指すトップ選手と、コロナ禍でも練習を重ねてきた市民ランナーが一緒に走ることで生まれる“相乗効果”も大会を盛り上げる大きな要素になると期待しています。

(瀬古)「やっと本来のマラソンの姿が戻りましたね。サッカーで日本代表と一般の人が一緒にやることってないじゃないですか。これはマラソンだからできるんですよ。トップ選手も市民ランナーが後ろにいるとすごくリラックスできて、真剣勝負なんですけど、楽しくて笑顔が出るんですよ。私もゴールで皆さんと笑顔で待っています。ぜひみんなで頑張りましょう」

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