スポーツ

2022年12月21日 (水)

全国高校駅伝 取材記 熊本工~高い壁を乗り越え、25年ぶりの都大路へ~

高い壁を乗り越えて


高校駅伝で熊本と言えば、去年まで18年連続で都大路に出場し、過去最高の2位をはじめ、上位入賞を何回も果たしてきた九州学院の実績が光ります。他校にとっては、まさに“高い壁”となっていました。

そんな中、ことし、九州学院に勝って25年ぶりの出場を決めたのが熊本工業です。

「あんたの努力がやっと実を結んだね」

県予選のレース後、九州学院の禿(かむろ)監督に言葉をかけられた熊本工の疋田監督は、「泣きそうになりました。これまでも、合同で合宿をしたり、いろんなことを教えてもらったりしていたので、強く心が揺さぶられました」と感慨深げでした。

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導方針を一新して


熊本工業は、毎年のように、九州学院に大差で敗れてきました。

疋田監督は、勝つためには「九州学院と正反対のことをやらないとダメだ」と思い、これまで厳しく律してきた指導方法を一新しました。

“怒るのではなく、諭す”
“抑えつけるのではなく、対話を重視して生徒たちに考えさせる”

自主性をテーマにしてきました。
ことし歴代続いてきた「丸刈り」も廃止し、頭髪は自由に。
1時間前後のジョグなど、練習メニューもそれぞれの体調に合わせて自身で自由に設定させるようにしました。

疋田徳監督
「自主性が出てきて、選手たちに任せていいんだと思わせてくれるようになった。結果も出始めてきていたので、九州学院には、まだ勝てないだろうと周囲からは思われていたが、自分たちには手ごたえがあった。九州学院は、全国でもいつも上位。自分たちも、入賞して帰らないと『まぐれだった』と言われかねない。それは、チームとして避けたい」

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熊本工の復権を目指して


1972年と1996年に3位という実績がある熊本工業。
池邊主将は、「今回、25年ぶりに勝って、熊工が昔強かったということを知らない人が多いことに気付かされた。もう1回、熊工が強いんだぞというのを見せたい」と意気込んでいます。

高い壁を乗り越えたことから得る自信は大きいということを感じさせてくれた熊本工業。
例年、レベルの高い九州勢として、25年ぶりの都大路を快走する姿を見せてくれることを楽しみにしています。 

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取材:伊藤 慶太アナウンサー(男子テレビ実況担当)

 

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