スポーツ

2022年12月23日 (金)

全国高校駅伝 取材記 豊川(愛知)~名門復活へ!3年生の思い~

日誌に記された決意


「県駅伝まであと半年。あの負けた日から半年がたった…」

部員が交代で書く日誌に、ことし5月、3年生のひとりが書いた文章の一節です。

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過去4回の優勝を誇る愛知の豊川高校ですが、ここ2年は全国高校駅伝の出場を逃してきました。2年間、その悔しさに耐えた3年生にとっては初めての都大路の舞台、そこまでの道のりの中で、負けたあの日を忘れたことは1日もなかったと言います。

 

個性豊かな4人の3年生


豊川高校は、ことし、3年生の選手は4人。取材を進めると、この4人の個性が見事にチームを導いていました。

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「私が引っ張る!」と語るのは吉田莉帆(よしだ・りほ)選手。チームのエースです。

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県駅伝では1区で区間賞を獲得する走りでチームに流れをもたらしました。練習中も常に列の先頭でメンバーを引っ張ってきました。

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「練習も全員でやりきりたい」と話すのはキャプテンの森彩純(もり・あすみ)選手

toyokawa5.PNG吉田選手と同じくらいの走力がありますが、こちらは練習中、列の最後尾にいます。時には脱落しそうな後輩の腰に手をあて励ましながら皆を見つめてきました。

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さらにチームに欠かせないのが、桟敷真菜美(さんじき・まなみ 左)選手林那優(はやし・なゆ 右)選手です。

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選手全員が寮生活を送る豊川高校のチームで、桟敷選手は『家事大得意で優しいお母さんのような存在』。林選手は『チームがピリピリしたときに雰囲気を良くしてくれる癒し役』なのだそうです。

桟敷選手は3年生では唯一県駅伝のメンバーに選ばれませんでしたが、本人の表情はいつも明るいんです。「チームのために動くことが好きなので、走りでなくとも少しでも役に立って都大路でメンバーに優勝してほしい」と笑顔でした。

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そして、林選手は冒頭の日誌を書いた選手です。続けたのは「“自分だけ良ければ”という考えを持っていては駅伝は絶対に成立しない。コミュニケーションをとって、みんなが意見を言い合える雰囲気を作っていこう」という言葉。何よりもチームワークを大切に、学年の枠を超えて互いに意見を言い合えるチーム作りに取り組んできました。

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豊川高校の新たなスタートに


就任3年目。3年生入学とともに豊川の監督に就任した臼井康善監督は「今の3年生は1年生の時からコロナの影響で練習できない、遠征できないという状況。そんな中でもひたむきにやってきてくれたことが県駅伝優勝につながった。3年生を誇りに思い、豊川高校の新たなスタートとなるようなレースをしたい」と意気込みを話しました。

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2年間のくやしさを乗り越えた個性豊かな3年生が引っ張る豊川高校。8位入賞という目標を掲げ、初の晴れ舞台に臨みます。

toyokawa11.PNG(取材: 名古屋放送局・酒匂飛翔アナウンサー/ラジオ中継リポート担当)

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