スポーツ

2022年09月09日 (金)

「青春って密」一番近くで聞いた私が思うこと

kitajima220909_1.jpg

「青春ってすごく密なので、でもそういうことは全部だめだ、だめだと言われて」

「苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれた」

「全国の高校生に拍手してもらえたら」

夏の全国高校野球で優勝した仙台育英高校(宮城)の須江航監督決勝直後のインタビューで語ったことばです。
インタビュアーとして、わずか3メートルほどの距離で聞いた私の目には涙があふれていました。

2kitajima220909_2.jpg

【時間は2分!優勝インタビュー】

私たちアナウンサーがスポーツ中継のインタビューをする際、試合を見ながら質問項目を考えます
ポイントはどこなのか、限られた時間で優先して聞きたいことは何か、用意した質問だけにならないよう相手の答えも想像しながら、頭の中でいろいろ状況をシミュレーションします。
また、優勝インタビューの場合は、通常の試合後と異なり、球場全体に音声が届く、敗れたチームの前で行われるということも考慮しながら、質問項目を書き起こしていきます。

kitajima220909_3.jpg

【思いに寄り添いたい】

決勝では、須江監督が大会を通して発してきたことばを思い浮かべました。
鳥取商業との初戦で、ベンチ入りした18人の選手全員を起用したことを聞かれた須江監督が「3年生はコロナで苦しんだ世代。どんな展開でも全員出したいと思っていた」と答えたことが、私の心に残っていました。
大会中に電話取材した際にも、スタンドにいる野球部員への感謝や、ベスト4に2校残った東北への思いなど、「人」に寄り添うことばを大切にしている印象がありました。

kitajima220909_4.jpg

試合の展開や大会を通した野球の話だけではなく、ぜひ3年生への思いを聞きたい!
そんな思いから、最後に「コロナに翻弄された高校生活を送ってきた3年生への思い」を聞くことにしました。
須江監督へ質問をむけたとき、答える前から目元をおさえている姿が目に入りました。
そして、ひと言ひと言が球場全体に広がっていくのを感じました。
全国の高校生に届いてほしいことばだと感じたのは言うまでもありません。

【高校野球をこえたメッセージ】

今の高校3年生が入学した2020年に日本国内でも新型コロナウイルスの感染が広がり、入学式や運動会、文化祭、部活動。あらゆる学校行事が自粛・中止を求められる状況になりました。
放送後、高校3年生の子どもを持つ知人や先輩からも「すごく身にしみた」 「涙が出た」というメッセージが、私のもとにも届きました。
少しでも多くの人に須江監督のことばが届いてくれるといいなと今でも思っています。

kitajima220909_5.jpg

甲子園は、野球だけではなく、それ以上のことを教えてくれるものだと改めて感じました。
伝え手として「人に寄り添う」ことを大切にしていきたいと一層決意を強くした夏になりました。

kitajima220909_6.jpg

 (取材:大阪放送局 アナウンサー・北嶋右京)

ニュースほっと関西 ホームページ

関西 NEWS WEB

関西のスポーツ

もっと見る

プロ野球のニュース一覧

もっと見る

大相撲のニュース一覧

もっと見る

サッカーのニュース一覧

もっと見る

東京五輪・パラのニュース一覧

もっと見る

フィギュアのニュース一覧

もっと見る

おすすめの記事・特集@SPORTS STORY

もっと見る

人気の記事ランキング@SPORTS STORY

もっと見る

最新の記事@SPORTS STORY

もっと見る

高校野球NEXT

もっと見る

関西 NEWS WEB

もっと見る