2023年01月12日 (木)
全国女子駅伝 取材記 神奈川~チーム一体で目標の5位以内へ~
新春の1月7日、気持ちよく晴れた青空のもと、神奈川の選手たちがチーム練習を行いました。
経験豊富なランナーに、成長株も
神奈川は過去に2回(1987・2013年)優勝しています。特に2013年の第31回大会で記録した2時間14分55秒は、大会最高記録として今も輝いています。ことしは補欠を含めた13人のメンバーのうち、5人が実業団に所属しています。なかでも森田香織選手(パナソニック)、出水田眞紀選手(第一生命グループ)、佐藤成葉選手(資生堂)は、10年前の優勝を経験しています。
高校生も、去年12月の高校駅伝で5位に入賞した白鵬女子高校の選手たちなど、実力のある選手が集まりました。チームを率いる安養寺俊隆監督(57)も「社会人、高校生、中学生とも力のあるメンバーがそろい、目標の5位以内を狙える選手が集まった」と手ごたえを話します。
神奈川のエースになれるか
安養寺監督が「これからの神奈川のエースに成長してほしい」と期待を寄せるのが、1区を走る予定の信櫻空選手(21・パナソニック)です。
実業団3年目の今シーズンは、1500mから5000mまで自己ベストを8回も更新した伸び盛りの選手です。中学・高校時代に都道府県女子駅伝を3回走る機会がありましたが、社会人になってから神奈川チームのメンバーに選ばれたのは初めてです。
信櫻空選手は「都大路で1区を走るのは初めてなので、今から緊張しています。神奈川の顔になれるように頑張りたい」と話していました。さらに練習後は、中高生に明るく話しかけていて、緊張気味の中高生も自然に笑顔になっていました。
(左から2番目が信櫻選手)
信櫻空選手
「私が中学生の時は、森田さん、出水田さん、佐藤さんが大学・社会人の先輩で、優しく接してくれ、憧れの存在でした。今の中高生にとって、今度は自分がそんな存在になりたいんです」
神奈川の伝統を受け継いで
そして、この日の練習には、懐かしい顔がありました。チームのコーチを務める出水田有紀さん、旧姓田村有紀さんです。
出水田さんは眞紀選手の母で、現役時代は女子駅伝を10回走った名ランナーでした。1987年に神奈川チームが初優勝した時には、アンカーとしてフィニッシュテープを切りました。
出水田有紀さん
「あの時の走りは鮮明に覚えていて、競技場に入ってきて、ラスト100mで勝てると思い、観客席に向かってガッツポーズをしてしまいました。今も娘にアドバイスをすることもあります。娘は神奈川チームで走りたいといつも言っていて、中高生に何かを伝えたいという思いがすごく強いようです。中学、高校、実業団が一体となっていいムードを作っていて、レースが楽しみです」
ことしは、選手はもちろん、チームスタッフ、OGが一体となって、目標の5位以内を狙います。
取材:鳥海貴樹アナウンサー(大阪放送局・ラジオ実況担当)
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