スポーツ

2020年12月18日 (金)

【全国高校駅伝】指導者にとっても苦しい1年 ~女子・比叡山高校(滋賀)~

全国高校総体や国体など、高校生にとっての主要な大会が相次いで中止となったことし。
選手たちからは都大路にかけるより強い思いを感じます。
実は、指導者もこれまで経験したことがない状況の中で試行錯誤が求められていました。

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監督が漏らした本音


「今までになく苦しい1年だった」

8年連続での出場を決めた滋賀の女子の代表、比叡山高校吉居克広監督は、予選会のあと、このようにつぶやきました。

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突然の活動休止に


ことしのチームは、全国で上位に食い込むような飛び抜けた選手がいないため、吉居監督は1年生が入部する4月から5月をチーム全体の力を引き上げる重点期間として練習に取り組む考えでした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、学校はおよそ2か月にわたって、休校となり、部活動も休止。
選手たちは自主練習を余儀なくされました。

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チーム力の底上げをはかる大事な時期に、直接、選手と向き合った指導ができないもどかしさを抱えた吉居監督。
なんとか選手の状況を把握したいと、目をつけたのが、高校の授業で使われていた「タブレット」でした。
これまで週に1回、選手に提出させていた練習日誌をタブレットで撮影し、毎日送るように選手に求めました。
監督もすぐに日誌を読み込んで、選手にアドバイスを送ることで、丁寧な指導を心がけました。

吉居克広監督
「全国高校総体がなくなるなど、今までと違う状況の中で、選手が不安だったと思うので、指導者として少しでも選手が前向きになるよう、できることを工夫して、一生懸命やろうと心がけた」

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自粛期間の大きな賭け


さらに吉居監督は、これまでの練習方針を大きく転換しました。
これまでは選手一人一人の特徴や調子を見ながら、監督が練習メニューを組み立てていましたが、選手たちの自覚を促すため、自粛期間中の練習メニューはあえて選手に任せることにしたのです。

吉居克広監督
「駅伝は各区間を1人で走る競技。選手自身の覚悟と責任、考える力がないといけない。今まで受け身で、監督や顧問に言われたままやっていた選手が、自分で考えて工夫して取り組むことで、精神的にも成長してほしかった」

 

一気に主力になる選手も登場



吉居監督の期待に応え、大きく飛躍を遂げたのが2年生佐山早矢選手です。
1年生のときはけがで伸び悩んでいた佐山選手は、同級生で唯一、都大路を経験した石田遥花選手と練習することにしました。
あえて高いレベルの選手と練習することで自分の甘えを捨てることにしたのです。

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左)石田選手 右)佐山選手

佐山早矢選手
「石田選手に追いつきたかったし、追い抜かすには気持ちで折れないよう、自粛期間中も毎日必死で練習に取り組みました」

一方で、自粛期間中に全国高校総体の中止が決まるなど、目標を見失いかけたときも、都大路を走る全国高校駅伝の開催を信じて練習を重ねました。
脚力をつけようと、石田選手が住む地域までの12キロを毎日、自転車で通うなど地道な努力を続けた佐山選手。
1年間で3000メートルのベストタイムを1分近く縮め、チームの主力に成長しました。

 

苦難の先につかんだ8年連続での都大路



その成果は苦しみながらも都大路出場を決めた予選会でも表れました。
アンカーを任された佐山選手は、2位でタスキを受けると22秒差の大差をひっくり返し、8連覇の立役者となりました

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佐山早矢選手
「これまでやってきた練習を信じていたので、絶対に追い抜けると思って走りました。もっと切磋琢磨(せっさたくま)してチームの目標である15位以内を目指したいです」

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一方、選手を信じて見守ってきた吉居監督にとっても、ことしの予選会の優勝は大きな自信につながっているように感じました。

吉居克広監督
「混戦のレースは何度も経験してきたが、今までにない状況のなかでこの苦しいレースを勝ちきったのは、私が思ってる以上に選手が成長したということだと思う。ただ、全国レベルでは、ようやくスタートラインに立てた状況なので、ここから1つでも上を目指して選手と頑張っていきたい」

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『最大限の工夫』『選手を信じきる力』で都大路をつかみ取った比叡山高校のさらなる成長に期待したいです。

 

matsumoto_writer.jpg大津放送局 松本裕樹記者

平成17年入局
高校まで競泳に打ち込む。
全てのアスリートにドラマあり。
ひたむきな姿に心を打たれます。

 

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